次の日のニーナは少し様子がおかしかった。私と話すと目線をあまり合わせてくれなくて、すぐに真っ赤になる。不思議に思って、目線を合わせようとすると、眼鏡越しの世界を真っ暗にされた。目隠し…なぜだろう。
「今日のニーナおかしい」
「…普通に話せる名前ちゃんが羨ましー」
「あ、もしかして観覧車できっ…ふが」
今度は口を押さえられた。手の力が少し強くて唇が触れた瞬間、ニーナはまた真っ赤になって離れた。
「いつまでも気にしてたら、ニーナとのお話つまらない…」
ボソッと悲しい声で言った。いつまでもそんなニーナじゃ、まともに話なんてできない。忘れてほしいわけじゃないけど、普通にしててほしいんだ。 俯いていると、急に頭をなでられた。
「ごめん…だからそんな顔マジやめて。オレがつれぇからさ」
「うん」
「じゃあ昼、食べ」
「どーーーーん!」
「え!?」
何かが私に激突した。 床に尻餅ついて倒れてしまった私に手を差しのべたのは、不死身のヒーローだった。
「あ、えっと…るか先輩…?」
「せーかい。飴ちゃんいる?それとも…」
彼はじっと私のお弁当を見る。小波先輩から作ってもらえてたのではなかったのだろうか。
「美奈子ね、珍しく寝坊だって。だからオレぺこぺこ」
「は、はぁ…」
「ちょっと琉夏さん、名前ちゃん困ってるんでやめてください!つか、オレと名前ちゃんは今から一緒に楽しくランチなんで邪魔しないでほしいっス」
「…仕方ない。また今度だ」
また会おう!とか言って走っていったるか先輩。嵐が去っていくってこういうことなんだな。
視線を感じる…。 ぱっと視線の方を見ると、クラスにいる女子達がこちらを見ていた。なんかいつも感じる視線とは違う。不思議に思ったが、何もないだろうと思い、ニーナの方を向いた。
「お腹、空いた」
「うん!行こ!」
20121202
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