最近、何かと名前ちゃんと一緒にいることが多い。ただみんなが名前ちゃんといないだけなんだけどな。
いつの間にか決まっていた体育祭の二人三脚。夢の中で名前ちゃんが知らせてくれた気がしたんだけど、夢じゃなかったみたいだ。嬉しいのと恥ずかしいのが一気に込み上げてきて、ニヤケながら顔真っ赤。乙女かオレは。
体育祭当日、名前ちゃんに声をかけて二人三脚に呼ぶと、なんだか浮かない顔をしていた。でも今は聞くタイミングじゃねぇよな。そう思ったオレは二人三脚の準備をし始めた。
・ ・ ・
二人三脚の結果は4位。名前ちゃんが途中で転んだけど、オレは受け止めることができずに上に重なって倒れてしまった。転んだせいで、彼女のひざには擦り傷ができてていたそうだった。これ終わったら保健室直行、決まり。 名前ちゃんが終わったあと謝ってきた。でも今は…。
「そんなことよりも保健室行こう、な?」
「大丈夫、ただ擦りむいただけだから」
「ごちゃごちゃ言いませんっと!」
「え!?」
彼女は意地でも保健室に行かなさそうなので、お姫様抱っこした。周りが少しざわついていたけど、仕方がないことだ。 保健室に着くと誰もいなかったので、彼女を座らせて、手当道具を探した。
「染みるかも」
「やだ……っ」
「文句言っても痛みは逃げません。ガマンガマン」
「はーい…っ」
ちょっと顔をしかめる名前ちゃん、マジカワイイんだけど。申し訳ないと思いつつも、名前ちゃんの珍しい表情を堪能し、手当を終わらせた。
「何か考え事しながら走ってた感じ?」
「なんで?」
「アンタ、また顔に書いてあるから」
気になったことを聞くと、彼女は図星のようで、すぐに表情に出た。だからわかりやすいんだって。 それから彼女の話を聞いた。
「まぁ、アンタがそうしたいって思う日が来たら協力すんぜ?」
「ん、ありがとうニーナ」
オレ以外のヤツにカワイイ名前ちゃんの姿を見せたくねぇけど、彼女がそういうなら協力するしかない。
ふいに流れてきた音楽。もうフォークダンスか。
「せっかくだから踊ろうぜ」
「うん!」
こうして今年の体育祭は無事に終わった。
20121125
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