拍手プチ連載
庭球/向日





頭の中にはいつもあいつ





どこに行ったってあいつだったらってことばかり考えて





オレしかあいつを分かってあげられない





幸せにできないんじゃないかって思ってた






【きみを一番理解してるつもりだったけど】





走って走って追いかけて。あいつがいそうな教室を片っ端から探してった。全然見つからなくて、イライラし始めたオレは、近くにあったイスを蹴飛ばした。ガッタン!とうるさい音が響き渡った。その後に、近くでガタっとイスの音とは違う音が聞こえた。
きっとなだ。
そう思ったオレは、教室のドアに手をかけようとした。あーあ…クソクソまた邪魔するのかよ。

オレよりも先にあいつを見つけた侑士。オレが一番あいつのことを分かったつもりでいた。いつも見つけるのはオレが最初で、慰めるのもオレで。
でも目の前にある現実はそうじゃなかった。侑士に慰めてもらったなは、泣き止んだ様子だった。ありがとう、って笑顔で侑士に言った。



「あぁ…まだ泣くなオレ」



侑士とあいつがぼやけて見えた。



20120520
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