私は他の人とは違うトコロがある。それは、片目が見えないということ。
理由はカンタン。
私が大好きな大大好きなカレシが目を潰したのだ。
みんなカレを責めた。
お前のせいで私の娘の目が!なんて言うけれど、私はそんなの気にしなかった。そう思う時点で、私も異常だと思う。
だってカレがくれた大好きの証。これだけで幸せだった。
「ねぇ、貢広。」
私がそう言うとカレは振り返って「何?」と答えた。
「たまに‥本当にたまに、視界が真っ暗になって恐くなるときがあるの。」
「どうして?」
「貢広が私を忘れたり、キライになったとき、この目はどうしちゃうんだろうって考えちゃう。」
「そんなこと絶対ねぇよ。」
真剣な表情で言うカレにドキッとした。
目が、アノトキと同じ。私の目を傷つけた時も、こんな目をしていた。
あぁ‥私、愛されてる。
「‥うん。でももし、本当にもしあったとしたら、私どうすればいい?」
「その時は、俺はきっと花子の前にも‥この世にもいないと思う。花子以外を愛しちゃうなんて、そんなの俺が俺じゃないからな。ついでに、花子も殺しちゃったりして。」
「そっか‥。」
私の片目が真っ暗で、恐い恐い闇の中でも、貢広に愛されている。
私、なんて幸せなんだろう。