はるがきた
今日はぽかぽかな日だ。もう春だなぁと感じながら、のんびり外を歩いていた。こんな日にお昼寝したら気持ちがいいのだろうなぁ。むしろ、私が今から向かっている先の彼は、お昼寝真っ最中なのではないか?なんて考えていると、彼を見つけた。とても、気持ちよさそうに眠っている。
「ジローちゃん、起きて〜。」
「ん〜……あと5分……。」
「これは起きないパターンだなぁ。」
彼を起こすのを諦めた。そして、1人だけ眠っていてとてもずるいと思う。私は彼の隣で寝そべることにした。
「失礼しまーす…。」
ぽかぽかな陽気は私の眠気を一気に誘った。目をつぶっただけで、私はすやすやと眠ってしまった。
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「ん…。」
あれからどれほど時間が経ったのだろう。眠りすぎた…?と思い、目を開けた。
「やっと起きたC〜!」
「ジローちゃん…?」
私はジローちゃんに膝枕をしてもらっていることに気づいた。恥ずかしくなり、勢い良く離れようとしたが、彼がそれを許してはくれなかった。
「ダメだC〜。名前ちゃんはここ〜!」
「……恥ずかしい。」
「そんな名前ちゃんかわE!」
がばっという効果音が似合うだろう。彼は私にぎゅーっと抱きついてきた。相変わらずスキンシップが激しい。そんな彼も好きだけど。
「そういえば、何か用があった?」
ジローちゃんは思い出したかのように聞いてきた。
「ううん、何も。ただ…。」
「ただ?」
「ぽかぽかな陽気だと、会いたくなるの。」
「えへへ、うれC〜!!」
はるがきた/芥川慈郎
20190321