愛しさ到来


地球防衛部なんて馬鹿げてる部活だなって思った。部員もギリギリの5人。来年になったら部にならなくなるじゃんって心の中で思ったのは秘密。そんなこと言ったらちょっと怒られるかも知れない。



「今日もお疲れ様です」
「何ですか、その嫌味ったらしい言い方は」
「そんなことないよー。地球防衛ってすごいなぁって思っただけ」
「馬鹿にしてますね」



そう言いながらも、そこまで怒ってはいないらしい。それよりも市場が気になってるようでPCから目を離していない。なんかちょっとつまらなくて、私もスマホをいじる。
通知がぶぶぶっと鳴り、確認すると、有基くんからのメッセージだった。"名前先輩!イオ先輩って近くにいるっスか?もしいたら伝えて欲しいことがあるっス!"と書かれていた。伝えてほしいことを確認すると、可愛い内容で思わず笑ってしまった。
隣から人の気配がなくなったと思って隣を確認すると、彼は私の目の前にいた。



「なにー?」
「楽しそうにスマホを見ているなぁと思ったので確認を」
「だめー。プライベートの侵害だよー」
「…誰かと連絡とってたんですか?」
「んー有基くんとね」



私の返事を聞くと、眉間に皺を寄せた表情で、私の顔に近づいてきた。とても、近い。少しでも動いたらキスでもされそうだ。



「この気持ちどうしてくれますか」
「イオったら珍しくヤキモチやいてる?」
「そうです。ヤキモチを妬いてはいけませんか?」
「…可愛い」
「可愛いとは心外です」



少しにやにやしていると、むくれていたイオにちゅっとキスをされた。不意打ちです。びっくりしたので、彼の瞳を見つめていると、ふふっと声を出して笑っていた。



「私といる時は私だけを見てください」
「だって、イオ、パソコンに夢中じゃない」
「私はずっと名前を見ています。夢中なのはキミだけです」
「ばか」



照れ隠しで彼の頬にキスをした。



title:サンタナインの街角で
鳴子硫黄/防衛部
20160823

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