悲しみは涙をねじ伏せて
「シュウ。」
「なに。」
「足りない。」
「ならアンタから来いよ。」
私は彼が寝転んでいるベッドにぼふん、と寝た。もっと近くに彼を感じたくて、いつも彼が私を抱き枕にしてるみたいに抱きついた。
「今日はやけに素直だな。」
「だって…。」
"私が独りになった日だから"
そう答えると、彼は愛しそうに私の髪の毛をすくいあげた。そして、髪にちゅっと口づけをした。
「名前。」
「んー?」
「アンタが欲しい。」
「うん。私の寂しい気持ちを忘れるぐらいに…気持ちよく、して…。」
「あぁ、たくさん吸ってやる。」
私をもっと、
もっともっともっと、
貴方で満たして、
愛してください。
逆巻シュウ
title:虫喰い
20130117