ぽわぽわ幸せは浮いている




「しーしどくんっ」
「お、苗字じゃねえか」
「慈郎くんいない?」
「…ジロー?ごめん、知らねえな」
「そっかぁ。もし見つけたら私が探してるって言っておいて!」
「おう!」


慈郎くん、どこだろう。手に持っているプレゼントを持ちながらあちこち探してる途中。クラスにもいなかったから…うーん、お昼寝かな。あ、跡部くんに聞いたほうが早かったり…。
そう思った私は、急いで跡部くんのいる生徒会室に向かった。ノックをすると「入っていいぜ」という偉そうなお許しをもらえたので「失礼します」と言って入った。
近くにあるソファに目を向ければ、そこには私の探していた人物が寝ていた。


「慈郎くん見つけた〜」
「あー…お前らもうそんなに経ったのか」
「うん!ふふふっ、可愛い」


慈郎くんの寝顔を眺めていたら、跡部くんは気を使ってくれたのか「ゆっくりしてけよ」と言って、樺地くんと出ていってしまった。別に平気なのにな、とは思ったけど跡部くんの好意に甘えることにした。ガチャとドアが閉まった音を合図に、ぎゅっと腕を掴まれた。


「ん〜…名前ちゃんいる〜…」
「慈郎くんお寝惚けさん?」
「……名前ちゃんぎゅー」
「何か今日の慈郎くんちっちゃい子どもみたい」
「…跡部としゃべりすぎるから」


きゅん、と胸をしめつけた。そういえば慈郎くんに渡すものがあるのを思い出した私は、手に持っていたプレゼントを渡した。


「はい、慈郎くん」
「なーに?」
「1周年記念。慈郎くんに似合うネックレス買ったの」
「なにそれ。鳳みたいになるね」


笑いながら慈郎くんは、私が上げた袋を開けていった。シンプルで光があたるとキラキラするネックレス。慈郎くんに「つけて」って言われたから、ネックレスをもらってつけてあげた。テニスするとき邪魔じゃないかな…とか今更ながらに思ってしまった。


「テニスするとき邪魔にならない…?」
「んーとね、そういうときはカバンにつけるから平気!いつでも身につけてるから心配しないで」
「ありがとう」
「じゃあオレからは〜…」


慈郎くんは私の頬を片手で触ると、顔を寄せた。


「名前ちゃんに愛と感謝の気持ちがこもったキスをプレゼント〜」


ときめきすぎて、とろけちゃいそうで、かっこよすぎて可愛くて…。もう慈郎くんが大好きで耐えられません。



芥川慈郎
ジローちゃん好きになってから1年記念
20120515

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