恋心の受信




「ごめんなさい。でも、私を好きになってくれてありがとう」


笑顔で言えば、相手は喜んでくれる。
ずっとそうしてきた。別に私はこう言いたいわけじゃない。作り笑顔をして、相手が喜んでくれるならそれでいい。
そう思ってた。


「なぁ」
「…っ!?なんで、しょうか…」
「お前、いつもあんな笑顔なのかよ」
「…あんな、とは」


話しかけた人は、ため息をついてこっちに向かってきた。


「だ・か・ら!いつもあんな作り笑顔で告白断ってるのかって聞いてんの!」
「はい」


正直に話したところで、私が得することも、損することもないから言った。


「可哀想だな」
「誰が…ですか?」
「相手が」


意味わからない。
相手は喜んでるじゃないか。可哀想だなんて、初めて言われた。


「相手の気持ち考えたことある?」
「…ない」
「お前に告白するまで、どれだけ勇気がいると思う?」
「…わからない」
「はぁ…」


なんなのこの人さっきから。
私が正直に話せば、納得いかないような顔をして落ち込んでいく。

好きだなんて…恋だなんてしたことない。
だから、告白にそんな勇気だとか言われても、ピンとくるはずがないんだ。


「どうしたら相手の気持ち分かるんだよ〜…!」
「あ、」
「なんだよ!!」
「私に恋をさせて」



来栖翔
20120223

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