年の差




「年の差…」
「え!?」
「あ、建二くんには関係ないから」


ぼそっとつぶやいたのに聞き取れてたなんて気を付けなきゃ。

夏休み、私はひいおばあちゃんの家にお邪魔していた。
建二くんとは同い年。そう同い年なのだ。
いや、同い年なのは別にどうでもいいんだけど。

現在進行形で、納戸でパソコンをカチカチしている人がこの家にいる。一人でもくもくとカチカチ。その人と付き合ってるわけではないし、ただの私の一方通行。

そこで冒頭に戻る。年の差。そう年の差。
私は17歳。相手は13歳。なんか手を出しちゃいけないみたいな気がしない?私だけ?
確かに彼は少し大人びてるというか、ムダな動きはしないから、子どもっぽくはないけど子ども。いや、私もまだ子どもだけど。


「もうやだ…。恋愛つらい」
「ふーん。どうして?」
「年下だからつらい…あれ?」
「年齢なんて関係ないよ」


ご本人登場。
今の会話佳主馬としていたのか。…気づいただろうなぁ。恥ずかしい。

ちらっと彼を見ると目があった。


「好きなら好きって言ってよ」
「…ムリ」
「なんで」
「恥ずかしい、から…」


「案外子どもだね」と子どもに言われた。なんか悔しい。



池沢佳主馬
20111215

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -