嫌いな人
「なぁなぁ、苗字って誰が好きなん?」
「…いきなり何ですか?」
「いやー…な、だって鈴木くんや中尾っち達も恋愛ムードやで?ここはムードにのって、苗字に好きな人でもー…と」
「あなたには関係ないことです」
私は自分の席を立って、大谷君から離れようとした。
でも、何故か彼は私に着いてきてた。
私はそういう人大っ嫌いなのに。
「あの、いい加減着いて来ないでください。私、そういう人苦手なんです」
「……なら、どういう奴が好きなん?」
「あなたと真逆な人。そういう大谷君はどうなのよ」
「苗字みたいな奴」
「っ!!」
大谷君はそういうと、ニヤリと笑って教室へ戻っていった。
きっと、今の私の心臓はバクバクだ。
嫌いな人/大谷敦士
20091006
ヒロインは東京から引っ越してばかり^^