嘘なんてひとつもついてない




私は貴方が嫌い、大嫌い。理由?そんなの嫌いだからに決まってる。理由になってないのは分かるけど、嫌いなものは嫌いだから仕方ない。そんな嫌いな貴方をぐちゃぐちゃにするのが私の夢。すぐにできそうでできない夢。だって貴方は遠くにいるのだから。私じゃない別の人と仲良く話している。あ、笑った。その顔、私が一番嫌いな顔。



「名前?」
「何?私は貴方と話すことなんて一つもない。その笑顔が一番嫌いで見たくないから早くどこかに行って」
「イヤだC〜!名前と一緒にいたいからここにいる」



あー…嫌い嫌い嫌い嫌いきらいきらいきらいキライキライキライキライキライ。そばにいたいなんて虫酸が走るだけ。嬉しくとも何ともない。私は感情が表情に出やすいタイプだから、今の感情もきっと貴方に伝わっているはずなのに、ニコニコとこっちを見つめてくる。周りのみんなは諦めた様子で何にもしない。そっちの方がどれだけいいと思った。



「名前、好き、大好きだCー」
「そう。でも私は何を言われても何をされても気持ちは変わらない。貴方が嫌い、大嫌い。どうして私を好きになったのか知らないけど、そんなの私には関係のない話だから。というか、いつまで私の隣にいるつもり?気持ち悪いからさっさとどこかに行って。もしくは跡部に怒られてしまえばいいのに」
「名前がそこまで言うなら跡部に怒られてくる〜。あとべ〜」



嘘なんてひとつもついてない



芥川慈郎
20110515

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -