好きを待ってね




先生と生徒。姉兄と弟妹。他にも禁断の恋だなんて呼ばれているものは沢山ある。でもさ、禁断っていっても血の繋がりみたいなのがなかったら何でもありみたいな感じだよね。まさに私はそういう状況と同じ位置にいて。

私の好きな人はお父さんの再婚相手の息子で。よくある話だよね。再婚相手の息子か娘を好きになっていくマンガとか小説。こんなものが現実にあってたまるかと思ったけど、まんまとその罠にハマってしまった。



「テツ君。ちょっとそこにあるお菓子取って」
「名前さんは人に頼み事ばかりしています。少しは自分で動いてください」
「あーおかしいなー。体が鉛の様に重いぞー」
「はいはい。分かりました」



テツ君は優しい。初めは大人しめな人だなって思っていたけど、一緒に住んでいると、その人のいい所がどんどん見えてきてこうなってしまった。
この話は友達にしか相談したことがない。友達は友達でも一番仲の良い一人だけ。話したときの友達の反応は思ったよりも冷静で、「名前がそんな話するんじゃないかって実は予想してたんだよね。最近テツ君の話しかしてないんだから。でも心配しなくてもいいんじゃない?元々は他人だったわけだし。頑張りなよ」って言われた。この言葉が嬉しくて少し涙ぐんじゃったけど、ありがとうって笑顔で返事をした。



「名前さん。お菓子を食べる手が止まってますよ」
「え、あ…本当だ」
「何か悩み事ですか?」
「…うん」
「その話、ボクで良ければ聞きますよ」



その言葉に驚いてしまったけど、家族なんだからこういうやりとりは当たり前なんだよね。話さないのも悪い気がしたから、相手がテツ君って分からないように遠回しに話した。



「…友達から相談された話だから誰にも言っちゃダメだからね?」
「はい。分かってます」
「友達のお父さんが急に再婚したみたいで、その相手には息子がいたみたいなの。その友達はね、再婚相手の息子さんを好きになっちゃったの。兄妹で好き合うことは禁止されてるでしょ?だから、どうすればいいか相談されたの」
「そうですか…」



テツ君は優しいから真剣に考えてくれた。少し時間が経った後、口を開いた。



「何にも恐れずにぶつかってみればいいと思います」
「ぶつかる…?」
「そうです。二人の関係なんて関係ないんです、好きなものは好きなんですから。これでお互い好きだったら最高じゃないですか」



頭を撫でながらテツ君は答えてくれた。その答えを聞いた私は、少し気持ちが軽くなるような気がした。

テツ君。私、テツ君に好きって言えるまで待っててくれるよね?



好きを待ってね



黒子テツヤ
20110305

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