Happy Birthday
「安田くん、見つけた!」
「苗字…?」
安田くんを探して10分ぐらい。どこにいるのかな?って保健室常連さんのアシタバくん、美作くん、藤くんに聞いたら屋上行くって言ってたみたいだから、私も安田くんの後を追いかけて屋上に行った。
何だか安田くんが屋上にいるってイメージ湧かないけど、いるのは確か。少し古くて重いドアをゆっくりと前に押すと、そこには体操座りしている安田くんがいた。あ、ちょっと泣いている。そんな安田くんに声をかけた後、現在に至る。
「安田くんが屋上って珍しいね」
「だって誰も祝ってくれないから、拗ねて屋上に来てやった」
「私は教室に居てくれたほうが嬉しかったよ?」
私の言葉が理解したのか、元気になった安田くんがそこにはいた。尻尾がついてたら絶対かなり振ってるよねっていう勢いで。
「はい。誕生日おめでとう」
「うおおおおお!!やっぱり苗字は一番優しいぜ!」
「大げさだよ」
「そんなことない!もう安田感激!」
私からもらったプレゼントに嬉し泣きしながら頬擦りしている。ほっぺ痛くならないといいけど。
プレゼントも渡せたし、そろそろ戻ろうと思って立ち上がった時に、強い風が吹いた。気づいたのが遅かったせいか、スカートが豪快にめくれあがった。思わずびっくりして下を向けば、鼻血をたらしてぱんつを頑見している安田くん。
「何見てるの?って怒りたいところだけど、今日は誕生日だからやめとく」
「な、なんだって!?だったら俺今日から毎日誕生日だから、苗字のぱんつ毎日見ても」
「バーカ」
Happy Birthday
(頬に今日最後のプレゼント)
安田貢広
20101130