ぽわんぽわん



朝から強烈な痛みにあって起き上がれない。
久しぶりにひどい生理痛がきた。よりによって、和成とデートの日だっていうのに。
もうムリだと思った私は、近くに置いた携帯を取って「高尾和成」という名前を探して通話ボタンを押した。

プルルルという無機質な音を4回繰り返したあとに、プツっと電話が繋がった音がした。



『もしもし、名前?』
「和成…あの、急なんだけどさ、今日のデート行けない…」
『どうしたの!?というかちょっと待ってて!』
「え?」



和成に電話を切られたかと思ったら、ガチャっとドアが開いた音がした。
そう思った瞬間にはもう自分の部屋のドアが開いていた。



「名前!」
「和成…」
「急にキャンセルするとか名前らしくない…」



ムスっとしながらこっちに近づいてくる和成。
理由は言いにくいけど、この調子じゃあきちんと言わなきゃ引き下がらない様子だった。



「…生理痛がひどくて、動けないの…。だから、今日のデートはムリかなって思って電話した…」
「そんなに痛いの?」
「うん……」
「ここ?」



そっとお腹に手を添えた和成。何だか少し痛みが和らいだかも…。



「うーん…じゃあデートはデートでも自宅デートにしようか!」
「え?」
「それなら名前も動かなくて済むし!」
「…ありがとう」



ぽわんぽわん
(心も温まった感じがした)



高尾和成
20101014

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