相合傘



今日は早く授業が終わって、帰ったら何しよいかなぁとか考えながら昇降口に向かうと、ザーザーと言う音がし始めた。
まさかね、と思って外を見るとやっぱり雨が降っている。生憎私は折りたたみ傘なんか持っていない。この雨の中、傘をささないで行くのも嫌だったのでとりあえず止むのを待っていた。



「せっかく早く終わったのに、全然雨止まないじゃない…」



ボソッと独り言を言っていたら、後ろからポンと肩を叩かれた。
一人で待っていたものだから驚いて振り返ると、そこには水戸部君がいた。



「あれ、水戸部君部活は?」
「……」
「この雨だもんね。お休みになったの?」
「…(コク)」



一回だけうなずいた水戸部君。
不思議な人だなぁと考えていたら、水戸部君はカバンから折りたたみ傘を取り出して外を指差した。
もしかして…



「一緒に帰ってくれるの?」
「……」
「ありがとう」



私がそういうと水戸部君は私が見たこともない笑顔で笑った。
きゅんときた…なんて言えるはずがない。
その日はドキドキしながら帰った。

相合傘
(しちゃったんだよね…?)



水戸部凛之助
20100831

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