知らない存在



「OZ?何それ」
「知らないの?」
「うん。携帯もパソコンもないから分からないんだ」



いきなり僕の部屋に入ってきた名前。名前はお隣さんだし、自由自在に出入りするのは簡単だけど、窓と窓を飛び越えるのはやめてほしい。
というか、OZを知らないなんて僕が頑張ってる意味ないじゃん。



「頑張ってるんだけどな…」
「え?何を?もしかして女そ」
「違うよ」
「じゃー何よー」
「キングカズマ…」
「ん?」
「僕、キングカズマなんだよ」
「あ、それならテレビで見たことある!あの白いうさぎさん!もふもふしてそうで可愛かったなぁー……ってえ?」



信じられないという顔でこっちを見る名前。可愛い。絶対に一回で理解できそうにないからもう一回言ってあげた。



「だ・か・ら。僕がキングカズマ」
「うそだぁ」
「本当だよ、ほら」
「あら本当だわ」
「好きになった?」
「どうしてそんな話になるんだい佳主馬くん」
「かっこいい僕を見たら好きになるって師匠が」
「ちっくしょー。そんなことしなくたって佳主馬のこと好きだよー」
「素直じゃないよね」



僕は名前にキスをした。

知らない存在
(携帯買ってよ)(…そうしてみる)



池沢佳主馬
20100730

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