ずっと側に



プルルルルルル。シーンとした部屋で鳴り響く携帯の着信音。その音で目が覚めて、何時かと思って時計を見ると、1時15分。まだまだ夜ではないかと思いながら電話に出た。



「もしもし…」
『…真ちゃん?』
「こんな夜中に電話するとは非常識なのだよ」
『ごめん、ね。でも…眠れなくて』



電話越しから聞こえる声は、勘違いかも知れないが震えて聞こえた。何かあったんだろうと思って聞いてみた。



「どうかしたのか?」
『…怖い夢を見たの。真ちゃんが死んじゃう夢。やけにリアルすぎて、怖くて悲しくて心配になって…それで電話しちゃった。馬鹿でしょ?』
「心配しなくてもいい。オレは名前からは離れない、いなくならない」
『…ありがとう。真ちゃんの声聞いたら落ち着いてきた!もう寝るね』



『おやすみなさい』と言って電話が切れた。



ずっと側に
(いるのだよ)



緑間真太郎
20100721

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