知らない笑顔
「アヤト…」
「何?」
「髪の毛、切っちゃったんだ」
「うん。似合わない?」
「ち、違うの!似合うよ!とっても似合ってるけど…」
「けど?」
髪の毛切ったきっかけって、私じゃなくて、花ちゃんなんでしょ?紅次郎を追いかけて日本に行って、私がどれだけ心配してたか、キミは知らない。
だって、これ以上の関係に進んだら、全てが壊れちゃう気がして怖いんだ。簡単に崩れちゃいそうで、いつも逃げちゃうんだ。
「ううん、何でもないや」
「変なの」
「アヤト」
「なーに?」
「頑張ってね。応援してるから!」
「ありがとう」
そう言ってキミは、私が見たことない笑顔を浮かべていた。
知らない笑顔
(これでいいんだ)
色アヤト
20100705