そうして彼ら達は (8/109)



響木監督と校長先生に着いて行って到着したのはイナビカリ修練場。そしてさらに奥に入り、待っていたのは理事長だった。


理事長曰わく、もはや一刻の猶予もないみたいだった。

早く欠けてしまった雷門イレブンを集め、地上最強のサッカーチームを作らなければならないらしい。

そして破壊活動を食い止めるため、あの最強のエイリア学園に勝たなければならなかった。



「理事長、俺達にやらせて下さい、俺達がやります!」


私達には新たな任務が与えられた。最強チームを作り、エイリア学園を倒す。それをやり遂げるのがそう、雷門イレブンなんだ。



「みんな、やろう!日本一の次は宇宙一だ!」


そしてその円堂くんの台詞に、みんなは指で一を作り手を上げた。


それは、雷門イレブンが一つになった瞬間だった。そして、その光景で私の意志がはっきりと決まった瞬間でもあった…。


きっと、円堂くん達ならやってくれる―…。

そう思い、私はゆっくり口角を上げた。



「準備が出来次第出発だ。円堂、頼んだぞ」

「え?」
「頼んだぞって監督は」


響木監督の台詞に私達みんな唖然とした。確実に響木監督の台詞は円堂くんに託したような言い方で。そして私達は次の監督の台詞にまた驚くことになる。



「俺は行かん」

「響木監督には私から頼んでいることがあるのだ。これもエイリア学園に勝つために必要なことでな」


そんな話を聞いた円堂くんは自分に指を指して「そんな、じゃあ俺たち監督なし?」と不安げにそう言った。


いくら倒しに行くと言っても、監督なしって…!


突然の響木監督の辞退に動揺を隠せない私達だった。



「理事長!」

「俺、監督いないなんていやっす!」
「俺もでヤンス!」


ウルウルとした瞳で壁山くんと栗松くんはねだるようにそう言うが、監督は「心配するな」とだけ言った。


何かと思えば突然後ろの扉が開き、私達は一斉に振り返る。



「紹介しよう、新監督の吉良瞳子くんだ」


そう紹介されて登場したのは、少し緑がかかった長い髪をした女の人だった。

でも、私はその女の人を見て何故か胸が嫌な感じにドクンと高鳴った。


何だろう、この変な気持ち。

私は一瞬ピクリと眉を寄せた。


"女の人"ということに戸惑う私達は、その吉良瞳子という監督が横を通り過ぎるのを見つめることしか出来なかった。


その新監督は、ただ真っ直ぐ歩いていってるだけなのに、一瞬だけ、チラリとこちらを見た気がした。

気のせいだったのかもしれない。でもやっぱり私の鼓動は収まらなかった。



「ちょっとがっかりですね、理事長。監督がいないと何もできないお子様の集まりだったなんて思いませんでした」


次々と放たれるトゲのある言葉。その言葉に口を歪ませるがそれでも私達は動けずにいた。



「本当にこの子たちに地球の未来を託せるのですか、彼らは一度エイリア学園に負けているんですよ」


「だから勝つんです。一度負けたことは、勝利につながるんです」


瞳子監督の台詞に円堂くんはそう反発した。


円堂くんらしい、そんな台詞で。



「頼もしいわね。でも私のサッカーは今までとは違うわよ、覚悟しておいて」


瞳子監督は緑色がかかった髪を靡かせると不敵な笑みを浮かべてそう言った。




そうして彼ら達は


宇宙人を倒すために、旅立つのだろう―…。


to be continued...

ちょっと台詞省い((
監督、だんだんキャラが変わっていきました、よね…?

実はいうとこういう場面、半田くんが出ないから省く予定だったんです(笑)
でもやってしまった。

アドリブェ…

※2012.5.7 少し加筆修正

2012.3.4

[bkm]

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