君と僕を繋ぐモノ (75/109)

【半田視点】


「半田が関係してるかは分からないけど…今日、朝比奈休むってさ…」

「っ…!」


そう風丸に言われた瞬間、稲妻が落ちなような衝撃を受けた。


元気がない朝比奈。その朝比奈は今日休むという。それは紛れもなく、俺のせい。

自分のせいなんだって思えば思うほど唇を噛み締める力は強くなる。


俺が朝比奈を傷つけたから、塞ぎ込んで来なくなってしまった。そのことに責任を感じるとどうしようもなく不安が募った。

マックスに背中をパンパンと叩かれた。それは何を表しているのか、考える気力さえも持てなかった。



そんな訳だから、練習なんてずっと上の空。


「半田!危ない!」
「ぐふっ…!」

顔面にボール直撃するし。そのボールを蹴った主がマックスだと分かったら追いかけたけれど。だって明らかにわざとというか…狙ったんじゃないかってくらい口元が緩んでたから。


「半田、自慢の双葉ないよ」
「えっ…!」
「嘘。」

「っ〜……マックスー!!」

もう何というか、今日は妙に絡んでくる。嫌じゃないんだけどさ。もちろん元気付けようとしてることくらい分かってる。
まぁ、そのおかげで終わりがけはちょっと気の持ちようが楽だったけど、ね…。

また言えたら言おうと思う。ありがとうって。大抵は心の中で唱えて終わってしまうけど。


部活が終わって帰り。いつもは朝比奈がやってくれることも今日は俺らがやる。ドリンクのケース洗ったり、タオルとかも全部。これをいつもは4人ないし1人でやってると思うとちょっと尊敬した。


「さ、半田。謝りにいこっか、朝比奈のとこに」

「うっ…」


グサッと身体に矢印が突き刺さる効果音が聞こえてきそうだが、俺の気は時間が経てば経つほど重くなっていった。やっぱり行かなきゃならないかと足が重くなっていく感覚に陥る。

しぶしぶロッカーの前に立ち、着替えていた時だった。突然マックスは声を張り上げる。


「あれ、半田。いつも付けてたあの例のマスコットは?」

「え……」

「ほら、鞄に付いてた…。ある?」

「あ…え…?あれ?」


ない。ない。ない!!

確かに昨日までは…あったはずなのに。今日、今さっき見てみればいつも付いていたはずのあのマスコットがない。

小さいから気付かなかったのだろうか。地味な俺の鞄を唯一飾ってくれていたあのマスコットが消えている。

思い当たる節は、考えなくても1つはあった。


「河川敷かも…」

「河川敷?」

「うん…」


そう、昨日朝比奈と河川敷にいて、酷いこと言って…。あ、考えるだけで泣きそう。

と、とにかくこの場から離れたくて隣にあった俺の鞄を持って勢いよく河川敷を去った。もしかするとその時に無くなってしまったのかもしれない。



「あっ!半田!」


俺は急いで着替え終えると、あの時のように無我夢中で走り出した。

今度は、去ってしまったあの場所を目指して…。




君と僕を繋ぐモノ


だって、それは、

俺と朝比奈を繋ぐ、唯一のモノだから―…。


to be continued...

微妙なところで終わってしまいましたが…。テスト終わってテンションがおかしいです(笑)
しばらくは自由だ!←

次ももう少し(でもないかもしれないけれど)待っていただけたら嬉しいです!

2013.6.28

[bkm]

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