閉じ込めた俺の想い (68/109)
【半田視点】
またマックスに言われてしまった。まぁ昨日と同じようにしてたから仕方ないと言ったら仕方ないんだけれど…。
今日はムンクの叫びだって。本当に笑っちゃうよな。
でもはっきり言えばそんなことも考えられないくらい俺は病んでいる。は、言いすぎが…。とにかく落ち込みすぎて俺は心情を隠しきれない。
昨日、マックス達が帰った後、部室の外には朝比奈がいることを知った。この部室は外からの声が丸聞こえだ。
それだから、それだからいけなかった。
風丸が帰った後、案の定聞こえる声。
そう、俺は聞いてしまったのだ。朝比奈が風丸に話があると言ったところを。
おずおずと躊躇うように言う朝比奈の声を聞いた瞬間、鈍器で頭を叩かれたかのように強い衝撃が体中に走った。
告白するのかもしれない、そう悟った俺はその場でじっとすることなんて出来なくて。とりあえず気を紛らわすために着替えを終えた。だが沈黙が続けば続くほど虚しさで浸っていく、完全に理解出来ないもどかしさと悲しさが募る。俺の心から、色が褪せていった―…。
そして朝、こんな状態というわけ。
マックスにムンクの叫びと言われた挙げ句、さらにバカだなんて言われた。
でもその次のマックスの台詞でピクリと俺の心が動いた。
「いーい?僕からしたらね、ここ最近すっごく朝比奈に近づけてると思うんだ、半田」
近づけてる?朝比奈に?
「でも…」
「ほら出た!ネガティブ半田。確かに最近風丸と朝比奈の仲が良くなったとは思うけどさ、なんか…違うというか…」
「なんか…違う…?」
「うーん…上手く言えないんだけどさ…。とりあえず、半田は自信を持つことから始めなよ、後ろ向きすぎ」
「う…。じ、自信…」
自信を持つことから、始める。
俺が前に進めなかった最大の理由。それは確かにソコにあった。一番痛いところを突かれたが、改めてソコがダメなんだと実感する。
前もそうだった。今は、隣にいるだけでいいや、と。好きでいることを諦めかけていた気がする。でも、結局好きでいることなんて諦められるはずはなかったんだ。
「ん…。マックス…」
「なーにー」
「あり…ありがとう…」
閉じ込めた俺の想い
もう一度、頑張ってみたい。
でも、その想いは空回りするなんてまだ俺は知らなかった―…。
to be continued...
話的にようやく折り返し地点ってところでしょうか…。
まだまだ私のなかにはお話がたくさんあるのです。でもそれがなかなか執筆出来ないんです。
本当に申し訳ない…。
目指すは二期完結!!だがいつの話になることやら…(遠い目
2013.3.15
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