ゼロからのスタート (66/109)
やっと気付いた私の半田くんへの想い。嬉しさともどかしさで胸がいっぱいになった。
風丸くんは優しそうに、そして少し寂しそうに私に笑顔を向けてくれている。
「それと…俺は絶対、半田が朝比奈を嫌いになるなんてないと思うぜ?」
「え?」
「俺の予想、だけどな?」
「う…うん…」
風丸くんは意地悪そうににっとはにかむ。そして私はまた、幸せが募った。風丸くんが言ってくれたこと。もしかするとまだ大丈夫なんじゃないかなって少し安心することが出来た。
「だからさ、俺は諦めてほしくないな…半田のこと」
「こんな私が好きでいて、いいのかな…」
「当たり前じゃないか。俺は応援するよ、朝比奈のこと」
「ありがとう…風丸くん…」
相談して、良かった。
切実にそう思った。モヤモヤとした黒い霧はいつの間にか風丸くんが振り払ってくれた。背中にぐっと乗っかっていた重いモノが一気になくなるような気分だった。
本当に、風丸くんには感謝している。
「でもこれからどうしたらいいんだろう、私…半田くんに避けられてるし…」
私がそう言葉を紡ぐと風丸くんは再び考え込むように手を口元に持って行く。そして何か分かったかのように顔を上げると私の方を見て、ゆっくり微笑みかけてくれた。
「俺は、このままでいいと思う。朝比奈が半田のことを思ってやっていれば…きっと伝わると思うぜ」
「風丸くん…」
半田くんを思って…やればいい。
いつも通り、何も変わらず接すればいい。そうすればまた、半田くんは私と普通に接してくれるのかもしれない。
私は決意の意を込めて静かに頷いた。
「ありがとう風丸くん!私、頑張る!」
「あぁ!また何かあったらいつでも相談、受けるからさ」
「うん!本当にありがとう!」
ゼロからのスタート
また、元に戻れる日を夢見て、私たちは鉄塔広場を後にした―…。
to be continued...
これで一旦風丸とのお話は終了ですね、今度はいつ出せられるかな?
ではでは、次の更新までもう少しお待ちください!!
2013.2.3
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