仲間と目指す強さ (60/109)
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顔を洗って、着替えて、朝ご飯を食べて、歯磨きして、髪をセットして、今日1日がスタートする。
「よし…!」
パチンと頬を叩くと一度頬を緩ませてみる。マネージャーである私が暗い顔をしているわけにはいかない。笑顔を絶やさないよう決意をすると、私は鞄を持って家を出た。
今日も天気は好調だ。絶好の練習日和である。
確か昨日辺りの九州の天気は良くないとニュースでやっていたが、それはこちらには影響はないみたい。
ルンルンと軽くステップを踏みながらも雷門中へ向かうべく足を進める。すると後方から聞き覚えのある声。
「朝比奈!」
「あ、風丸くん!おはよう」
その声の主、風丸くんは昨日にはなかったいつもと変わらないあの笑顔を浮かべると手を振りながらこちらに走ってきた。
もう、風丸くんは大丈夫。いつもと変わらない笑顔を見た私は安心と嬉しさで自然と頬が緩んだ。
「今日の練習、参加出来るんだね?」
「あぁ…。もっと、もっと円堂みたいに強くなりたいんだ…」
そう言う彼の瞳にはしっかりと光が宿っている。真っ直ぐ前を向いて、サッカーと向き合おうとしている。諦めていない。そんな彼をもう一度見て私は安堵した。
「目指すは円堂くん、だね!みんなもそうやって燃えてる」
「ははっ。やっぱり…円堂は凄いな…」
風丸くんも言うように、やっぱり円堂くんは凄いと思う。
円堂くんの背中は凄く大きくて、誰もが目指す雷門の中心。その優しくて広い心にみんなは安心して背中を預けることが出来るのだろう。
私たちが円堂くんを必要とするように、彼もまた風丸くんを雷門の仲間を必要として悩んでいたなんて私たちには知るはずもなかった。
遠い向こうでは今、円堂くんはキャプテンとして試されていた…。
「そういえば仮の部室も出来たんだってな。早く見てみたいな…」
「そうなの、ピカピカで!みんなも喜んでたの」
「ははっ…そうだろうな」
そんな他愛もない会話を繰り返し気づけば雷門中前。
私は風丸くんににっと微笑みかけると一歩、雷門中の中へと踏み出していった―…。
仲間と目指す強さ
今日も1日頑張ろう。
そんな意味も込め、きゅっと鞄を持つ手に力を込めた―…。
to be continued...
まだ話の展開はあんまりありませんね!!
次回からはまたちょっと何か始まるはずです…!
それと長い間放置してしまいスミマセンでした(泣)
頑張っていきます…
2012.11.29
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