新しいスタート (52/109)
彼らが退院してから何度か検診も受け、しばらく休養を取った。
そしてもう大丈夫だと意志に告げられたその次の日の早朝。
私達は雷門中にて目をキラキラと輝かせていた。
「校長…!コレ…」
「部室が壊れているんじゃどうにもならないからね…。あの部室が直るまでは仮だがこの部室を使ってくれ」
「凄い!新しい部室…」
そう、小さいながらも私達の目の前には部室があった。
壊された部室はまだ完全には直っていないけれど。その代わりに簡単にだがと仮部室を用意してくれたのだ。
そこまで丈夫には造られていないようだけどそっとやちょっとじゃ壊れそうにはない。
私は仮に建てられた部室にそっと触れ、それを見上げた。
「そうそう、それは夏未お嬢様が提案してくれてね」
「夏未さんが!?」
その台詞を聞いて私の嬉しさは倍増した。さすがお嬢様、なんて私は頬を緩ませる。
今度夏未さんに会ったらお礼言っておこう。そう私はふふっと笑った。
「これでいっぱい練習出来るね!」
「あぁ…!もっともっと強くなるんだ!」
やっぱりみんなも喜んでいる様子で。部室を前にワイワイと飛び跳ねていた。そんな彼らに私も混ざる。
校長先生達が去ると私は勢いよくまだ新しいその部室に足を踏み入れた。
「僕いっちばーん!」
「あー!ズルいです松野さん!」
「へへーん」
一番だとか、そんなことを騒ぎながら入っていく彼らに続き私も中に入ると口角を上げた。
幾つかのロッカーと、中央にはやや大きめのテーブルもある。
ホワイトボードやらサッカーボールやら、練習していく上で必要なものはきちんと揃えてある。
用意してくれた夏未さんにつくづく感謝の気持ちを感じながらも再びその部室を見渡した。
新しいスタート
彼らは強くなるため、新しい出発をした―…。
to be continued...
これから進めていく上で部室は欠かせないなと思い仮で作ってしましました!!
小さい頃、初めて部屋に入る時とか、一番!!とかよく言ってた気がします\(^^)/
2012.9.19
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