イノセントボーイズ (49/109)
朝一番。まだ家でのんびりしていた時、突然私の携帯はピカッと光った。
その背面画面に映る四文字。
"半田真一"
そう、その着信は半田くんからだった。
驚いたものの、メール受信画面を開け、内容を確認した私は小さな笑みを浮かべた。
Receive Mail[001/500]
Date 20XX/OX/OX 08:32
From 半田真一
Subject
今朝、病院の人から知らせがあって、俺たち退院することになったんだ!
きっと3日後くらいには退院できると思う
-END-
絵文字だってない。長い文章というわけでもない。
でも、私はそのメールを見て笑みを浮かべざるを得なかった。
パタンと携帯を閉じるとすぐさま私は家を飛び出した。途中、お菓子だとかお花だとか、とにかくお祝い出来るものはいっぱい買った。
お金も一気に飛んでいったし、買い物をしていたせいでいつもよりも遅くなってしまった。
でも、私の顔から笑顔が消えることはなかった。
何より、彼らがまた自由にサッカーが出来ることが一番嬉しかったから。
彼らを縛り付けていたものがまた1つ減ったから。
私は今まで以上の幸せを感じながら早く彼らの元に行こうと足を速めさせた。
「おめでとう!みんな!」
私はノックすることも忘れ、勢いよくドアを開けた。
そこにはやはり、予想通り満面の笑みを浮かべている彼らがいた。
「朝比奈!」「朝比奈先輩!」
「退院…良かった…ね…。本当に、本当に良かった…」
いつも以上の笑顔を浮かべる彼らを見た私は目に涙の膜を貼り付けた。
今にも溢れ出しそうな涙をぐっと何とか堪え、中に入っていく。
「ありがとう!なんかいっぱいあるね!」
「うん!退院するって聞いていっぱい買ってきちゃった…」
ドスンという音と共に私は机に買ってきた数々の品を置いた。ドーナツの時も喜んでくれたように、今回もみんなは喜んでくれた。
もしかすると前回よりもはしゃいでいる、そんな気もした。
また懲りずに買ってきたドーナツは二度目ということもあり、今度はみんなに平等に好きなドーナツを渡すことが出来た。
そんな小さな幸せだって今回は凄く大きな幸せ。
いつまでも絶やすことなく笑顔を貼り付けながらドーナツを食べていった。
そして無邪気な彼たちの笑顔を見た時。
また泣きそうになってしまったのはみんなに内緒―…。
イノセントボーイズ
おかえりなさい―…。
私の大好きな、みんな…。
to be continued...
メールでしたー!!半田くんからのメールってどんな感じかな…。
まず小説に絵文字をあまり使いたくないから…絵文字もない的な感じにしましたけど…。
もらえるもんなら貰いたいー!!とか叫びつつ(笑)
そして最後の、
おかえりない。私の大好きなみんな。
って部分ですが…。
決して嫌いだったわけではない!!わかって…くれますよね?
2012.8.30
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