本音を言えば (4/109)
【半田視点】
ふわふわしたゆるカーブを描く髪を揺らしながら病室を出て行く朝比奈の姿を見つめるとハァと一つため息を吐く。
そして何となく、口を毛布で埋めさせた。
じっと何の変哲もない天井を見つめていた時、遠くからマックスの声が響いてきた。
「半田ー…」
「あー?」
マックスに呼ばれ口に持ってきていた毛布を外すと、上半身だけマックスの方に向けた。
「本当に良かったのか、朝比奈。」
「ハァ!?」
突然何を言い出すかと思えばそんなこと。
というか俺限定!?
どんな意図があってそんなことを言ったか理解も出来ないまま、俺はバッと毛布を捲り上げ、上半身だけ起き上がらせた。
「何が!」
「え、分かってないの?さっきのことだよ」
そしてなぜかニヤニヤと笑うマックスと視線が交わって、何となく顔を真っ赤にさせると再び布団に潜り込んだ。
さっきよりも深めに毛布を被って。
「べ、別に。いいも悪いも俺には関係ない!」
「ふーん…。ならいいんだ」
その憎々しい言い方に反感を買ったがなんとか自我を抑え、さらに毛布を被った。
別に、朝比奈が残ろうが残らまいが俺には関係ない!
別に、悲しくなんてないし、残ったって、嬉しくなんて―…。
そう自分に言い聞かせるが何となく顔が火照ってきた。いきなり言われて焦ったのかドクドクと心拍数が上がっていく。
「ぷ…照れてる」
「て、照れてない!」
そこをついてきたマックスの笑い声が響く中、俺は布団の中でそう叫ぶ。
そしてだんだん布団の中が暑くなってきた俺は、「あーもう!」と赤い顔のまま顔を毛布から覗かせ寝返りを打った…。
本音を言えば
そりゃあ、朝比奈が行っちまえば寂しいに決まってる…。
でも、俺の我が儘なんかで朝比奈に迷惑掛けたくないんだ―…。
その後、影野がこっちを向いていたことに絶句したのは言うまでもない…。
to be continued...
やっぱりキャラ視点って私好きです(*´`*)
でも一言…、元の半田くん戻ってこーい!!←
2011.2.16
(
back)