変わらない笑顔 (48/109)
【半田視点】
退院の準備もできる限りは終わった。後はその日が来るだけである。
でも、時間が過ぎる度、曇る俺の表情。
みんなは相変わらず有頂天で、ワイワイ騒がしい様子だった。
初めこそ俺も有頂天だったが、次第にその気持ちも虚しさで染まっていく。
相変わらず、携帯は音を鳴らさない。ランプも光ることはなかった。
無意味だとは分かっているものの、俺はパカッと開けて画面を確認した。
着信なしである。
ハァと深めのため息を吐くと俺は壁に掛けてある時計を見る。
いつも朝比奈が来てくれる時間どころか、もう既にその時間は過ぎていた。
今日に限って朝比奈は遅い。
なんだかなぁとやるせない気持ちでいっぱいになった俺は持っていた携帯にぎゅっと力を入れた。
「ねぇ半田。なんでそんなに携帯気にしてるの?」
「っ…!?」
さすがマックス、というべきだった。
マックスは俺の異変に気付いたのか、単刀直入にそう聞いてきた。
やっぱり気にしすぎただろうか、と後悔にまみれる俺を余所にマックスは意味ありげに口角を上げる。それにきゅっと唇を噛み締めると俺は震えながらも口を開けた。
「べっ…別にそこまで気にして…っ…」
「た、みたいだね。はいはい分かった分かった」
最近マックスの俺への扱い方が雑になってきた気がしたが、それでも軽くあしらうマックスに何も言えなくなる。
「あーもう!」と膝を曲げ、布団に顔を埋めさせると俺は口を尖らせた。
嘘をつく事が下手なことに戒めを感じると、黙りこくる俺。
ワイワイ騒ぐ度「うるさい!」と連呼していたその時だった。
ガラリとドアが開き、待ち望んでいたアイツが姿を現した―…。
変わらない笑顔
アイツらしい、いつもと変わらぬ温かい笑顔を顔に貼り付けこう言った。
"おめでとう"
そんなアイツに、俺は小さく頬を染めた―…。
to be continued...
着信待ち半田くん(^O^)
膝曲げていじけてる半田くんとか見てみたいですっ(笑)!!
退院ですよ、ドラマCDとちょっと辻褄が合わなくなりますが…すいませんっしたー!!!←
2012.8.24
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