支えてくれた君に (47/109)
【半田視点】
それから幾つかの日が流れた。次第に痛みもなくなりいつも通りに肩が動くようになってきた今日この頃。
そんな俺たちに一つの嬉しい知らせが届いた。
「やった!ついに退院だっ!」
「やりましたね!これでサッカーやれますよ!」
そう、退院の許可が下りたのだった。
これで自由に動ける。これでずっとやりたかったサッカーができる。
嬉しさばかりが募った。
そしてそれと同時に感じたのは感謝。俺たちを支え、ずっとそばにいてくれた、朝比奈。
そんな朝比奈に早くこの喜びを伝えたいと俺は体の横でコソコソと携帯を弄っていた。
今の時刻は8時半頃。いつも朝比奈が来る時間にはまだ余裕がある。
それでも朝一番に伝えられこの気持ちを抑えきれなかった。
「3日後くらいには退院できるかなぁ。早いけど帰る準備しておこうっと!」
そんな台詞と共に動き出すマックス。みんなも満面の笑みを浮かべて退院の準備をし始めた。
俺もベッドから降り、見やすい位置に携帯を置くとみんなに便乗して帰る支度を始めた。
「早く朝比奈に伝えたいね。なぁ半田」
「えっ…。あ、あぁ…まぁ…」
突然振られた事により焦りを隠せない俺はカミカミながらもそう言葉を紡ぐ。
明らかにおかしかったもの、「ふふーん」と上機嫌の様子でそれ以上は何も突っ込まなかった。それにほっと胸をなで下ろしながらもそっと携帯に目を向ける。
待ち望んでいたランプは光らなかったものの、何となくにんまりと笑みを浮かべると俺は手元の鞄に目を移した。
早く、来ないなぁ…。
なんて二重の意味を含めながら、俺はそう心の中で唱えていた…。
支えてくれた君に
一番に、嬉しい知らせを―…。
to be continued...
ついに退院だ!!とか言ってみたり(^O^)
何をしたかは大体分かると思いますが次回のお楽しみ(*´`*)
といいたいところですが、今回はちょっと短かったのでもう一つどうぞ!!
2012.8.24
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