マネージャーとして (3/109)



「みんなの敵は俺がとる!」


そう言う円堂くんの拳が震えていることに気付いた私達は浮かない顔のまま視線を合わせた。


そう笑顔を貼り付ける円堂くんだって、きっとみんなと気持ちは同じ。



「じゃあ俺達、そろそろ行くな!」

「おう!宇宙人倒してこいよ!」

「ああ!任せとけ!」


円堂くんはにっと歯を見せて笑うと秋ちゃんと一緒にこの病室を去っていった。


ピシャリとドアが閉まると静まり返るこの病室。私はまたきゅっと唇を噛み締めた。



あの震える拳

きっと円堂くんだってみんなと一緒で不安なんだ。あんな宇宙人と戦って、ボロボロになって、不安で仕方ないんだ…。


私はどうしたらいいか分からずその場に突っ立っていると後ろから半田くんの声が聞こえた。



「朝比奈も行ってこいよ。宇宙人倒しにさ」

「え?」

「そんな俺達なんて気にしなくたって大丈夫だって。だから行ってこいよ」


ぱっと後ろを振り返ると、苦笑いをして頭の後ろで手を組んでいる半田くんがいた。でもその表情はどこか苦しそうで、私は半田くんを見ると顔を歪ませた。



「そうだよ、円堂達の側で支えてやれよ!な、マネージャーさん」

「先輩!行ってきて下さいよ!」


拳を胸の前で握り笑顔で私を押してくれるマックスと少林寺くん。

何となく後ろめたかった気持ちは一時晴れ、みんなに押された私はこくりと頷いた。そして眉を寄せると円堂くん達の後ろ姿を追っていった―…。




マネージャーとして


私はみんなを支えなければならないの。


でもそう思えば思うほど、私の気持ちはモヤモヤするばかり―…。


to be continued...

デフォルト名がやっと決まり、いきなりでびっくりした方もいるかもしれませんが…。

最初の辺りはプロローグよりも前の話になりますのでね!!

2012.2.11

[bkm]

 [prev]│[next

 (back)



×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -