瞳の奥の真意 (34/109)
「そういえば風丸くん」
「なんだ?」
みんながドーナツを食べているのを見て、特別関係はないがふと思い出したことがあった。
「円堂くん…無理してない?」
「え?」
「本人には聞けなかったんだけど…。出発する前、無理してた気がするから…」
キャラバンが出発する前、初めて円堂くんが見舞いに来てくれた時のこと。震える拳を隠し、みんなの敵は俺が取る。そう言った。
私は未だに気掛かりだった。
確かに円堂くんは頼れる。でも頼ってしまうからこそ、円堂くんへの負担が大きくなってしまう。そうなれば円堂くんだって無理するに決まっている。身体だっていつか限界が来てしまうはず。
「朝比奈は本当に優しいな」
「え…?」
「…ううん。何でもないよ」
最後の方がいまいち聞こえずハテナを浮かべていると、風丸くんはふっと柔らかく私に笑いかけた。そして円堂くんを思い浮かべるように目線を上に上げるとゆっくり言葉を紡いだ。
「そうだな…確かに円堂は無茶する奴だよ。今回の相手だって全然歯が立たなかった…。でもだからこそ燃えてるんだ、円堂は…」
風丸くんの瞳は優しくて、でもどこか寂しそうで、何かが引っかかった気がした。
「円堂の奴、次のイプシロン戦に向けて張り切ってるよ」
「そっか…そっかぁ。頑張ってね!テレビで応援してるから!」
「あぁ!」
そうだよね…。
強い相手だからこそ、真っ正面から立ち向かっていく。それが円堂くんだもんね。
きっとこれからもこの調子で勝ってくれるよね。
その風丸くんの台詞を聞き、胸のどこかで安心した私がいた。
瞳の奥の真意
もう、限界かもしれない…。
その彼の揺れる心情に、もっと早く気付いてあげられたら良かったのに―…。
to be continued...
風丸、きっともうアニメでは本当に限界感じている時期何じゃないかと…。
これで風丸がキャラバン降りてもやりやすくなったんじゃないかと思います…。
風丸との絡みがあるとかいいつつここまでほとんど絡みなかったんで…。
わっふい←
2012.7.14
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