その決意と共に (2/109)
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それは、あのジェミニストームとの戦いが終わった後の事だった。
その戦いで怪我をした、半田くん、マックス、影野くん、宍戸くん、少林寺くんはすぐに病院に運ばれた。
すぐに治療してなんとか一命は取り留めたものの、深手を負い入院することになってしまった。
その日はもう日が暮れたということもあり、私はまた明日来ると言って家へと帰っていった。
そして、その次の日。
「おはよう…。みんな」
あまり気分が上がらないまま低くそう挨拶して病室に入ると意外にも元気な姿のみんながいた。
「おう、おはよう朝比奈!」
「おはようマックス。みんな、怪我は大丈夫…?」
「平気平気!今からでも試合出来るよ!」
そうマックスは元気よく言ってくれたが私は見逃しやしなかった。
一瞬、苦悶の表情を浮かべたことを。
きっとみんなだってそうだ。大丈夫だと口を揃えているけれど本当は凄く痛いのだろう。苦しいのだろう。そう思った私はきゅっと下唇を震わせた。
「もー…。朝比奈は本当に心配性だな。俺達は大丈夫だって!そんな心配するなよ」
「半田くん……で、でも…」
それは、本当の言葉なのだろうか。ただ、私に心配かけまいとそう言ってるだけなのではないだろうか。そんな意味も込め、静かに眉尻を下げた。
その時だった。
ガラリと音が鳴りドアが開いた。そちらを見てみればそこには我らがキャプテン、円堂くん。そして同じマネージャーの秋ちゃんがいた。
「みんな!大丈夫か!?」
「みんな!」
そう焦った表情でパタパタと2人はこちらに駆け寄ってきた。やっぱり、心配だったんだ。
あの後、確かに円堂くんもすぐに家に運ばれたけれど彼らほど重傷ではなかったみたい。そんな円堂くんを見て私はどこか安堵した。
「円堂…。このくらい大丈夫だって。大した怪我じゃないんだからさ」
半田くんは円堂くんが苦そうな顔をするのを見てそう言う。きっとそれは円堂くんたちへの気遣いなんだと私は思った。これ以上、みんなに心配かけないようにと。
すると隣のベッドで横たわる影野くんも静かに頷いた。それに合わせてマックスも「そうだよ。」と言う。
「怪我しちゃったのは俺の鍛え方が足りなかったからです。特訓行きましょうよキャプテン…っ…」
そう言って少林寺くんが起き上がりベッドから降りようとすると透かさず円堂くんは止めた。
「少林ダメだ。無茶するな」
「キャプテン…。でも俺悔しいんです」
少林寺くんが悔しそうにそう小さく呟くと、隣の半田くんもベッドに横たわったまま呟いた。
「もっと俺が強かったらいいのに。そしたら、あんな奴らやっつけられるのに」
「少林寺くん…。半田、くん……」
私はその2人の台詞にぎゅっと胸が締め付けられた。
どうして、私は何もしてあげられないんだろう―…。
みんながこうやって苦しんでいるのに、私は…ただ見守ることしか出来ない。もちろん怪我を治してあげることも。
出来るなら代わってあげたいと思う。でもそれさえも出来ない。少しでも彼らの苦しみを減らしてあげたいと思うのに。
無力の私には、何一つ出来ない。
それが悔しくって私はきゅっと唇を結び体の横で握り拳を固めた。するとその時、隣で円堂くんの大きな声が聞こえてきた。
「みんなの気持ちは分かるけど、今は怪我を治してくれ」
そう円堂くんが言うと私は俯きがちだった視線を円堂くんに移した。そして円堂くんはぎゅっと握り拳を固め、それを腰に当てた。
「みんなの敵は俺がとる!」
そう、いつものような笑顔を浮かべて言葉を紡いだ―…。
でも、
その決意と共に
確かに、円堂くんの拳は震えていたんだ―…。
to be continued...
半田くんの台詞に悲しくなってきます(´;ω;`)
そんなこと言わないで…!!
オールキャラ…こんな調子でできるのでしょうか…。
いつかオールキャラになること信じて頑張ります!!
2012.2.7
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