その間に (18/109)
【半田視点】
何だよ、何だよ…!
何で、俺ばっかりこんな…。
こんなに期待しちまうんだよ―…。
本当は期待なんてしちゃいけないのに、俺のためにとジュースを買ってくれた、ただそれだけなのに。
なのに、無駄に自分だけ舞い上がって、恥ずかしがって、こうやって密かに喜んでる。
そんな自分が嫌で仕方がない。
「半田、想像したでしょ。…間接キ「し、してないッ!」」
またきた。
また俺は弄られるのか。こうやってマックス達に…。
「顔、ニヤけてるよ?」
「なっ…!に、ニヤけてなんてない!」
マックスは俺の方を向いて意味ありげに笑うと、さっき朝比奈から受け取ったレモンティーを一口口にした。
俺は負けじとマックスに反論するが、そう言われることにより余計に耐えられなくなった俺はベッドから飛び降りた。
そして「ト、トイレ!」と逃げるようにまた病室を去っていった…。
最近、何だかよく逃げることが多くなった。
もちろん、その理由の大半は弄られることから逃れるということで占められているが、まだそれ以外にもあるのかもしれない。
「ハァ…またやっちゃった…」
鏡に映る自分の姿を見ると、なんて自分は弱いんだろうと身にしみるほど感じる。
そんな自分の弱さに呆れるように深い溜め息を吐くと、俺は水道の蛇口から水を出し片手で軽く顔を洗った。
その間に
マックス達がある作戦を立てていたなんて、知るはずもなかったんだ―…。
to be continued...
そんな大した作戦では、ない。ないです。
イタズラ程度でしょーか…?
2012.5.16
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