もっと素直に (17/109)

【半田視点】


「半田ー。そんな意地になっちゃって!本当は欲しかったんだろ?」

「う、うるさいなぁ!だからホントにいらないんだって!」

「またまたー」

「だからなんで俺ばっかり弄るんだよ!」



昨日マックス達につい本音というか自分の気持ちを暴露してから、こんなようなことが多くなった。


よく朝比奈のことで弄られたり。今回だって朝比奈が来るほんの少し前までも俺は弄られていた。



昨日の夜、枕がなかったためマックスに返してくれと頼んだが、いやだと軽くあしらわれ。

最終的には「条件付きでなら返してあげる」と言われた。
もちろんそんな条件を承諾することはせず、そのままで寝た。

そんな訳だから目覚めなんていいはずがなくて…。


大きな欠伸をしたとき、上のようなことを言われた。


また同じようなことの繰り返しで、もうどうしてこんなことになったかな、なんて思うばかりだった。



そんなやりとりをする中、やっぱりいつかは朝比奈が帰って来るわけで。

突然コンコンとドアが鳴り、ビクンと大きく肩を震わせると朝比奈は中に入ってきた。



「買って来たよー!」


朝比奈は何本かのジュースを胸の前で抱えて中に入ると、1人ずつ手渡ししていった。


そしてそんな朝比奈の動きを目で追っていた時、朝比奈はニコッと俺に向かって笑みを浮かべるとゆっくり近付いてきた。




「はい!ミルクティーで良かった?」


そう俺に向かって言うと朝比奈は1つのジュースを渡してきた。

訳が分からずずっと頭にハテナを浮かべていると、朝比奈は俺の手を取り、無理やりというと大袈裟すぎるがそのジュースを渡してきた。



「え…?俺、いらないって…」


「今は飲まないかもしれないけど…。飲みたくなったら飲んで!」


「で、でも………」


「もしかしてミルクティー嫌だった…?」


「違っ…!」


「寧ろ好きだけど…!」と言い直すと何故か朝比奈は安心したように微笑んで。

その表情に思わずドキンと胸を高鳴らせたが、やっぱりダメだと思い朝比奈にジュースを返した。



「やっぱりいいよ…。なんか、申し訳ないし…」


そこまで引く理由もいまいち分からなかったが、それでも朝比奈自身もあまり引いてくれそうな様子はなくて。



「じゃ…じゃあ…半分こしよ…?」


「…っ」


なかなか引かない俺に少し諦めを感じたのか、今度は、和解し互いが納得出来るような案を出してきた。


また、これにマックス達が反応して…。




「あ、間接チューだ!ヒューヒュー」



「………ッ…!?」


思わず受け取ろうと手を伸ばしてしまった俺に恥じらいを感じながらも、真っ赤な顔のままバッとマックスの方を向いた。



「マ、マックス…ッ!そ、その言い方やめろッ…!」


「えーだってホントのことじゃん?」


「……っ」



カミカミながらも必死にそう言うとマックスは面白そうにそう言い返してきた。


さすがに、それに反応した朝比奈も動揺を隠せないようで「も、もう一つ買ってくる!」と言うとそのミルクティーを俺に渡し、再びこの病室を去っていった…。





もっと素直に

なれたらいいのに。


なんて、俺には思うだけ無駄なのしれない―…。


to be continued...

間接チュー(笑)
個人的にチューって言い方がいやらし((
スミマセン、自重します。
とりあえず渡したかったということで(^O^)

みんなどんなジュースが好きなんでしょうね…?

2012.5.12

[bkm]

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