それが、私の (11/109)



「揃ったな諸君。情報に寄れば総理は謎の集団に連れ去られたという。この集団はエイリア学園に関係があるようだ」


あれから走ってイナビカリ修練場まで来た私達。みんなもすぐに集合した。

実はというと私にもメールは入っていたみたいで、マナーモードにしたままで気付かなかっただけみたい。

もし、一之瀬くん達が来てくれていなかったら完全に出遅れていたところだった。何となくほっとした気持ちでいると、私は目の前にあるモニターに目を移した。



「出発よ。すぐにエイリア学園と戦うことになるかもしれないわ」

「瞳子くん、円堂くんたちを頼む。情報は随時イナズマキャラバンに転送する」

「お願いします」

「イナズマキャラバン?」

聞いたことがない単語にピクリと反応した私達。また響木監督に案内され私達は別の部屋へと移動した。



「真っ暗」


しかしドアが開いて中に入るも真っ暗で何も見えない状態だった。

でもその次の瞬間、目の前がパッと光って"イナズマキャラバン"というのが登場した。



「あれがイナズマキャラバン」


大きな青色の車体をしたバスが私達の目の前にあった。



「うわーかっこいいっす!」


みんな一歩ずつ近付いていくと、円堂くんはそのイナズマキャラバンの入り口にある、あるものに反応して駆け出した。



「あ、どうして!」


「ここは言ってみれば新しい部室。だったらコイツは必要だろうが」



それは『サッカー部』と書かれた札だった。

これが始まりだったから、円堂くん達にとったらとてつもなく大切なものなんだろう。



「…っ……「はい!」」


円堂くんがウルウルと瞳を潤わせて「はい」と言おうとするとみんなも一緒に「はい」と大きな声で返事をした。

それにクスクスと笑うと次の瞬間にはもう、みんなの目は真剣になっていた。



「しっかりな」

「はい監督」

「おまえたちは絶対にエイリア学園に勝てる。俺はそう信じてるからな」

「はい!」


「………。」


真剣で、真っ直ぐな瞳をしたみんな達。

でも私は、それに乗ることが出来ずにいた。


何度も何度も考え、いつも押し殺してきた自分の言葉。

それを今、みんなに言うべきなのかもしれない。



「あのっ…。私……」


「……?」



「ここに残りたいの」





それが、私の


見つけ出した、自分自身の答えなの―…。


to be continued...

ついに冒頭部分(プロローグ)に近付いてきましたね!!
あと1、2話くらいでプロローグに戻ります!!

2012.3.26

[bkm]

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