出来るもんなら (10/109)
【半田視点】
呆気なく姿を消した朝比奈達。
マックス達は「バイバーイ」とか言って送り出してはいたものの、俺にはすぐに理解することは出来なかった。
そう、呆気なく朝比奈との別れが終わってしまった。もう少し、俺はきちんとした別れがしたかった。
だって、これでまた朝比奈達とは当分会えなくなるんだから…。
べ、別に深い意味はないんだからな!ただ、ちょっと心残り、ってだけだからな!
俺はそう思うと深いため息をして気を紛らわすように再び布団に潜り込んだ。
それにしてもあの一之瀬にはイラッとした。何が言いたかったのかは知らないけど、俺に向かってウインクなんてしてくるし、それに………
「一之瀬も大胆だよなぁ…。なぁ。は、ん、だ」
「…っ……ハァ!?」
一瞬吹きそうになるのを何とか堪え、そう俺に嫌みったらしく言ってくるマックスを見た。
「あれ、思ってなかった?てっきり嫉妬してるんだと思ってた」
「し、嫉妬ォ!?そんなの、するわけ…!」
「あーごめんごめん。余計なこと言っちゃったみたいだね。気にしないでな、半田」
「…な…っ…」
ニヤニヤしながらさらりと上辺だけでそう言ってきたマックス。もう遊んでるとしか思えないマックスに苛立ちを感じるが、それでも言い返す言葉が見つからない今、俺には黙ることしか出来なかった。
情けなく感じるも思っていたことをズバリと言われ、俺なんかが冷静でいられるはずがなかった。
「あぁあ、サッカーやりてえなぁ!」
マックスの台詞で何故かみんなまでニヤニヤするので、そう彼らに言い放つと俺はベッドから出て廊下に出て行った―…。
出来るもんなら
もう、とっくに引き止めてるよ。
でもそんな勇気、俺は持ち合わせていないんだ…。
to be continued...
分かってたとは思いますが、一之瀬くんは半田くんに向かってやったんですね、ピッって(笑)
嫉妬多すぎですが気にしないでくださいねっ!!←
これからも嫉妬満載です(^^ゞ
2012.3.20
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