消えない表情 (9/109)
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「へぇー。そんなことがあったんだ!凄いじゃん!」
「うん、みんなやる気満々で!」
次の日の朝。私はまたみんなの元へと来ていた。
昨日あったことをみんなに話していた。新しい監督のこと、そしてエイリア学園を倒すためにみんなは旅立つこと。
「円堂達なら、きっとやってくれるな…」
半田くんは静かに微笑み、柔らかい口調でそう言った。
「なんかさー…。円堂達の話聞いてるとスッゲーサッカーやりたくなる」
「半田、俺も俺も!今やりたくてウズウズしてる」
私はクスクスと口に手を当てて笑った。少しずつ元気になってくれるみんなを見ると嬉しくて。でもそれと比例して、悔しさも募ってくる。
上げていた口角をゆっくり下げ空に浮かぶ雲に目を移した時だった。
「よう、みんな!」
「チーッス!元気にしてたか?」
そんな元気な声で登場したのは、人差し指と中指を立てていつものポーズをする一之瀬くんと片手をポケットに入れている土門くんだった。
「一之瀬くん!土門くんまで!」
「最後に会っていこうと思ってさ」
軽くウインクをすると一之瀬くんは私の横の椅子に座った。
「朝比奈から聞いたよ。一之瀬、絶対宇宙人倒してこいよ!」
「おう!倒してくるからさ、お前らはゆっくり治せよ」
「大した怪我じゃないって。すぐ治るよ」
楽しそうに会話しているみんなを見ると私の入る余地なんてないって感じるけど。
でもそれでもその光景を見れば自然と微笑ましくなって、やっぱり男の子同士で話すのは楽しいんだろうなぁと思った。
その光景を羨ましく感じていたその時だった。
プルルと一斉に一之瀬くんと土門くんの携帯が着信音と共に震えだした。
「あ、何だろう」
そう言って一之瀬くんは携帯を取り出すとまじまじと画面を見つめた。
そして一之瀬くんが一瞬顔を歪ませると私達は首を傾げて2人を見た。
「土門…」
「あ、あぁ…」
その台詞にますます理解が出来なくなった私は一之瀬くんを見つめることしか出来なかった。
「楓香、もう…行かなきゃ」
「え…?」
「奈良でエイリア学園の襲撃があったみたい。今すぐイナビカリ修練場に集合だって」
「襲…撃…?」
一之瀬くんはパチンと携帯を閉じると椅子から勢いよく立ち上がった。
「行こう、楓香」
「………っ…!」
土門くんが「じゃあまたな」と病室が去っていったのに続き、一之瀬くんも私の手を握りドアまで軽く走っていった。
「じゃあ、宇宙人倒して来る!」
ウインクしてやっぱりいつものポーズをする一之瀬くん。
でも次の瞬間には私の手を離し、誰か特定の人に向かって何か訴えるようにウインクすると、再び「じゃっ」と言って病室を去っていった。
それに続いて私も「ま…またね!」とだけ言うと2人の背中を追いかけていった―…。
消えない表情
でも、どんなに経っても、私の頭からその瞬間に見えた半田くんの表情が消えることはなかった―…。
to be continued...
一度集合してから一夜明けてるかいまいち分からなかったです…!!
久々に半田くん登場!!
何というかもう、私得すぎて申し訳ないです…。
ではではこの調子で頑張ります(^^ゞ
2012.3.14
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