夏だ。まだ春の香りが残っていると思っていたら、突然に跳ねあがる気温、眩しいくらいの日差し。長袖で外にでたことを少し後悔して腕を捲りあげると幾分か楽になった。

「あっつ…」

前髪をかきあげて、その光の先を見た。その太陽を覆うもののなく、見渡す限りの青空。そこかしらに目を向けて見ても白い雲は見当たらない、ただただドーム型の青い空が広がっている。それを見て、頭に浮かぶものが一つ。綺麗な青の髪、触れれば指を通り抜けていくそれの持ち主を思い浮かべて一人笑みを浮かべた。

「誉に会いたいな…」

何かを見て、誰かを想うだなんて相当入れ込んでいる証拠だろう。向かおうとしていた方向とは違う方向に歩を進める、目的地は変更。今行きたいのはお前の隣。きっと弓道場に行けば会えるだろう、会えなかったらそのときはこんなに会いたいという気を起させたお前に文句の一つでも言ってやろう。理不尽だって言われたってそんなの関係ない、俺をこんなにも本気にさせているお前が悪いんだから。




晴天直下にて






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