「ねぇねぇつばさ、なにつくってるの?」

ぼくが話しかけるといつも飛びついてくるくせに、今日は違っていた。発明をしているのかな?パチン、パチンとパーツを切り分けて一生懸命に何かを組み立てている翼の背中を見ながら、ぼくはおもしろくない気持ちでいっぱいだった。

「ねぇつばさってば」
「ぬ?ごめんあずさ!ちょっと、ちょっとまっててほしいのだ!」

やっとぼくのほうを向いたと思ったのに、やっぱり手には切り分けた色とりどりのパーツをぎゅっと握っている。本当におもしろくない。むっとして少し怒った口調になってしまった。

「もういいよ。ぼくあっちにいくから」
「あずさ…?」

困ったような顔を向けられたけどそんなのしらない。つばさは何か作ってあそんでればいいんだから。僕だってほかのことしてやればいいんだ。そう思って違う部屋に移動した。




しばらく本を読んだり、適当に寝転がってみたりしたけど、やっぱりおもしろくなかった。いっつもつばさが遊ぼう遊ぼうっていうときにツンとしてるバチが当たったのかもしれない。そんなことを考えてたら口から自然とこぼれるように言葉がでてきた。

「ごめん、つばさ…」
「なんで?ごめんねっていうの、おれのほうなのに」

隣の部屋から入ってきた翼がぼくに向かって言葉をなげた。手にかっこいいおもちゃのロボットを抱いたつばさがぼくのほうに近づいてきて、抱いていたロボットをぼくのほうへと差し出した。

「はい、あずさ」
「え?」
「これ、さっきつくってたんだぞ!ぷらもでる?っていうんだ!あずさといっしょにあそびたくってつくってた。あずさ、ろぼっとすきだろ?」

差し出されたロボットを受け取ってみると、とてもきれいに組み立てられていてつばさが器用だということがすぐにわかった。

「さっきはねっちゅうしすぎてたから…。あずさにさみしいおもいさせた」
「べつに、さみしくなかった」
「あずさはすぐうそつく!おれにはすぐわかるの!」
「…わかってるなら…もっとはやくきてよ…」
「だから、ごめんなさい」
「ぼくも、ごめんなさい。あと、これ、すごいね」
「でしょ!だからさあずさ!はやくあそぼ!!」

つばさにごめんって言ったら、もやってしてたのがなくなった。

「うん」

つばさが来てくれたのがうれしくて、こんな風におもうのはつばさにだけなんだろうなって、そんなことをおもった。




組み立ててマイハート







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