私の買い物が終わって、二人で船へ帰る。


「今日の夕食、何になるかな」
「さぁな。豪華にはなるんじゃねえか」
「買い出ししたし、そうかも!楽しみだなあ」
「こないだみたいにルフィに肉取られねぇように気をつけろよ」
「う…、頑張る」


夕暮れ。オレンジ色が反射する世界は、綺麗。
ゾロさんの横顔を見上げると、やっぱり凄くかっこよくて、赤くなった頬を夕陽のせいだと自分に誤魔化した。


「あの、ゾロさん」
「ん?」
「その…、今日、ほんのちょっとの時間だけど、一緒に街まわれて、すっごく楽しかった。ありがとう」
「俺も、久し振りに誰かと一緒に見れて、楽しかったぜ」


口元に少し笑みを浮かべてそう言ってくれたゾロさんが嬉しくて、私は眉をへにょんと下げて言った。


「本当はもっとゆっくりまわれたら良かったんだけど」
「じゃあ、次は最初から二人でまわるか」


歩きながら、ゾロさんはそう言った。
一瞬、耳を疑った。だけど、歩くスピードはさっきと変わらない。私は、少し躊躇って、答えた。


「い、いいの?」
「お前がいいならな」


嬉しい気持が、どきどき、と溢れてくる。
約束が出来た。憧れの人との、嬉しい約束。逸る気持ちを抑えて、私は平常心を保ちながら、それでもにやける頬は誤魔化せなかったけど、船まで歩いて行った。



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