「七花!会いたかったー!」
「何言ってるの、夏休み中たくさん遊んだじゃん」
「でもさ、やっぱり学校始まるとなるとそう言いたくなるものでしょ!」


笑いながら私達は教室ではしゃぎながら抱き合った。夏休み明け、初日の授業。
私達は夏休み中、エースも交えて三人でたくさん遊んだ。正直久し振りな感じはあまりしないが、確かに新学期が始まると少し新鮮な気持ちになる。


「ていうかさ、花火大会、本当に良かったね!二人で花火見れたんでしょ!」
「うん、正直緊張しちゃって全然花火どころじゃなかったけど…すごく嬉しかった。ユキも、エースと二人で見たんでしょ?」
「まあね。途中でサッチ先生ともはぐれちゃったから、仕方なくって感じだったけど」
「お互い、意外と順調なのかもね」
「ね!先は長いかもだけど、がんばろうよ」


照れくさそうに笑いながらユキはそう言う。早くエースとユキがくっついてくれたら、とても嬉しいんだけどな。今だって二人は仲が良いし息もぴったりで、お似合いのカップルになるだろう。
話しているとチャイムが鳴り、授業が始まる。一時間目はちょっと退屈な物理の授業だ。
しかし、教室に入って来た先生に生徒はざわつく。いつもの先生ではなく、やってきたのは若くて綺麗な先生だったのだ。


「みなさんはじめまして、みすずと言います。緒方先生が産休に入ったため、代理としてきました。宜しくお願いします」


隣の席のユキとこっそり会話をする。そういえば、緒方先生は最近結婚して、しかも妊娠しているらしいと噂では聞いていた。みすず先生という綺麗な人が代わりにやってくるとは思わなかったが、皆快く歓迎していた。


「すごく綺麗だね、みすず先生」
「ほんと、緒方先生も可愛かったけど、みすず先生の方が美人かもね」


二人でそんな会話をする。エースは年上過ぎて興味が湧かないとつまらなそうに言っていた。それを聞いてちょっと安心している様子のユキがなんだか可愛かった。
授業はつつがなく進んだ。先生の教え方は上手で、クラスの雰囲気も良くみんな真面目に聞いている様子だった。
授業後、何人かの生徒がみすず先生のプライベートに関して質問していたようだった。マルコ先生やサッチ先生と同じ大学出身で、その伝手で赴任することになったらしいと後から聞いた。その時は、そういえばマルコ先生と年が近そうだもんなぁ、くらいにしか思わなかった。
教室は、近づいていた文化祭のことで盛り上がっており、新しく着任した先生の話題などすぐにほとんど上がらなくなった。




 
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