「なんでもう朝なの!」
私は叫びながらベッドから跳ね起きた。夕方まで眠るつもりが、気が付いたら朝になっていたのだ。これはもう急いで着替えないと朝ごはんを食べる時間が無くなってしまう。朝ごはん抜きで午前中の鍛錬なんか耐えられるはずがない。脱いだ服もそのままに私は急いで部屋を出た。
「よう、寝坊か?」
「サッチおはよう!まだ時間あるかな?」
「ギリギリだよい。ちゃんと#なまえの分取っておいてあるから、ほらここ座れ」
「隊長が優しくて惚れ直しそー!」
「いいからさっさと食えよい」
呆れ顔でマルコ隊長は読んでいた新聞に視線を戻した。
隊長の隣に急いで座り、私は急いで朝食を胃へと押し込んでいった。
「ていうか隊長。心なしか私の朝ご飯多い気がするんですけど…」
「お前昨日夕飯食べずに眠りこけてただろい」
「隊長気が利く優しいイケメン〜っ!」
「抱き着く暇があったら食えって。時間がねぇのには変わりないんだから」
サッチにそう諭されて、私は睨みながらも再び朝食に向き直った。
俺は先に行くよい、と隊長が席を立つのを見て私はあわてて残っていたパンを口に押し込んで立ち上がると頭をぽんと隊長に軽く叩かれた。
「んな詰め込むと喉つまらすぞ」
「だ、だって」
「俺は先にやることが行くだけで、お前にはまだ少し時間あるから、残ってるもんくらいゆっくり食べろ」
さっきとは言ってることが違うよ隊長!それに私は隊長と一緒にいたかったから早く食べようとしたのに…。
椅子に座りなおしてしょぼん、と残ったご飯をゆっくりかみしめてるとサッチが笑いながら言った。
「愛されてんな」
「…そう思う?」
「おーよ。お前はそう思わねぇのか?」
「思わないわけじゃない、けど…。正直自惚れてるような気がする。絶対私の方が隊長の事好きだし」
はあ、とため息をついてごちそうさまをした私にサッチは困ったように笑って頭を撫でた。
「んなことねえと思うけどな、俺は」
「あ!」
「なんだ?」
「昨日夜話すって約束してたのに!」
「昨日の夜って、お前が爆睡してた時か?」
「うるさいっ。ああもう、私の馬鹿。せっかく任務終わってゆっくり隊長と話せるチャンスだったのに…」
私は項垂れて再び椅子に座りなおす。隊長、忙しくなかったら夜部屋に来てくれるって言ってくれて、だから私夜眠くならないように昼寝しようとしたらそのまま朝まで寝こけちゃったんだ…。
せっかく久し振りに隊長を満喫できるチャンスだったのに…!隊長もわざわざ来てくれるっ言ってくれたのに。
昨夜の失態に打ちひしがれていると、サッチにまで呆れたようにため息をつかれてしまった。