「お、お疲れ様です!」


任務から帰ってきた隊長に挨拶をする。時刻は深夜。多分、帰ってきて一番最初に私が挨拶できた、と思う。


「おう、ただいま。なまえか、久し振りだよい」
「はい、無事でよかったです…。いや、マルコ隊長がすっごい強いのは知ってるんですけど、でもやっぱり傷もなく帰還するって良いことだなって思って…それで…!」
「わかってるよい。なまえも、元気だったか?」
「もちろんです!」
「そりゃあよかった。まあ帰ってきて一番最初に話すのがなまえだとは思わなかったけどねい」


やっぱり、私が一番最初だった…!誰に張り合うわけでもなく、嬉しくなってしまう。
一生懸命話す私を、笑いながら頭を撫でてくれる隊長。隊長にとってはなんでもない動作だろうけど、私にとってはこのひと時は至福の時だ。大好きな人に、頭をなでてもらうだなんて。これ以上のご褒美はないってくらいだ。


「今日はまたなんで起きてたんだよい?寝れねえのか?」
「いや、そうじゃなくて…」


本当はすっごく眠かった。だけど、マルコ隊長が今日の夜中頃にここに戻るって知らせを聞いてた時から、夜更かししてでも隊長を迎えるって決めていたから。苦手なコーヒーを何杯も飲んでこうやって待っていたのだ。
だけど、そんなこと恥ずかしくて口が裂けても言えるはずがない。そんなの本人に言ったら、告白も当然じゃないか。
なんて思っていた矢先に、隊長はとんでもないことを聞く。


「もしかして、俺を待っていたのかよい?」


多分、隊長は冗談のつもりだったのだろう。口元は笑っていたし、口調も軽かった。
だけど、私はその冗談に対して頬を真っ赤に染めて、自分でもわかるくらい動揺してしまった。


「や、ちがくて……、その……」


私は慌てて否定をしようとするが、あまりに的を得ている質問に焦ってしまい上手く言葉が出ない。


「すいません、私もう寝ますね!失礼します!」


隊長が口を開きかけた瞬間、私は超ダッシュで去って行った。
今の、絶対ばれた。私が隊長のこと待ってたってばれた。待ってたことがばれたってことは、多分私が隊長のこと好きなのもばれたかもしれない。
私は自分の部屋につくと、一目散にベッドに飛び込んだ。恥ずかしくて死んでしまう。
何も考えたくなくて、というよりマルコ隊長が目の前からいなくなって緊張感から解放されたことにより一気に眠気が押し寄せてきて、私は目を閉じた。

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