「なぎさー!」
「そういうのは後でやれって!脱出が先だぞ、ベポ!」


私はペンギンやベポがいる場所で一旦降ろされて、ベポから熱い抱擁をうける。久しぶりに感じるその暖かさに、懐かしい感情が溢れ出す。
ベポが離れた後、ペンギンが私の顔覗き込んで言った。


「…本当になぎさか?」
「心配かけてごめんなさい。ペンギン、久しぶり」
「ったく、本当心配かけすぎだよ」


ペンギンは笑って私の頭をぽんぽんと軽く撫でてくれた。そして、無事で良かった、おかえり、と言ってくれて、その言葉に一度止まった涙がまたこぼれ落ちそうになった。

しばらくして、私達は外へと出た。どうやらローとルフィともう一人の海賊が外にいた海兵をあらかた倒してくれたようだった。
ローは私と一旦目を合わせた後、すぐにまた戦闘へと戻った。ペンギンとベポはその場でローの援護にまわり、シャチと他に数人の仲間が船へと戻ることになった。

シャチに背負われながら、私は残った仲間が、特にローが心配になってそわそわしていた。


「んな心配しなくても、船長達なら大丈夫だよ」
「でも、あんなにたくさんいたし…」
「数は大したことねえよ。けど、確かに大将とかが来たらそれは厄介だな……」
「大将?」
「ま、船長なら上手くかわせるだろうしお前は自分の心配だけしておけば充分だよ」


シャチはそう私に言うが、なんだか不安な気持ちは拭えなかった。

少しして、船が見えてきた。どうやら海軍に囲まれてはいないようで、周りを確認した後、私達は船へと入っていった。


「ひとまず任務完了だな。ほら、お前の部屋、そのまんま残してあるぞ」
「…ほんとだ、何も変わってない」
「掃除だって毎日やってたからな。お前がいつ戻ってきても大丈夫なように」


クルーの一人がそう言ってくれたことに、私は耐えきれずに涙を流してしまった。みんなが私のことを待ってくれていたことが、こんなにも嬉しいだなんて。
泣いた私を見て呆れたように笑われたが、それすらも心地よいと感じることが出来た。

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