京極堂 | ナノ


▼ 活動日和

「ふふふ、さあ聞きなさい益田に青木さんに鳥口さんっ!」
「何故僕だけ呼び捨て」

学生服を着た名前はそう云うと立ち上がってふふふともう一度笑った。

怖いな。榎木津さんの影響かな。

突然何ですかあと聞けば、鳥口さん急かせ過ぎよとブーイングが返ってきた。

「まあ良いや。取り敢えず此処に居る三人には共通点があります。」

「共通点?なんでしょう。」
「嗚呼、警官とか!」
「なら僕は外れますねェ」
「嗚呼、鳥口さん…」

「青木さん以外莫迦だなあ。本当に莫迦だなあ。」

二回も言わなくて良いじゃないか名前ちゃん。それに何で青木さんは莫迦じゃないんだ。贔屓か。

「あのね皆して敦子さん好きィー隊でしょう」

「なっ」
「違っ!」
「うへえ!」

「吃驚マーク二人うざい。特に益田。」

「何でさっきから僕ばかりなの!」

弄り易いからだと思う。

「何で?何でって弄り易いから」
「チクショーッ!」

「兎に角敦子さん好きィーだけどお兄さんが怖くてアタック出来ない隊!に朗報です。」

なんて的確な隊名なんだろうか。

「略して敦子隊!取引です」

学生鞄から小さめの茶封筒が出される。
口を開き中から何かの紙を取り出す。

「じゃじゃーん。何と敦子さんと行く遊園地!チケット二枚!どうだ欲しいでしょう」

ふふんと言ってチケットをひらひらとさせた。

いや、まて。
今の時代に遊園地って有ったか?屋上遊園はあるけれど。

そう思いながらも正直言って凄く欲しい。

益田くんが前のめりになった。
欲望丸出しだな。


名前はふふふと口に手を当てて笑い、さらにと付け加えた。

「今回はお兄さんの許可憑――許可付きです。」

付きが憑きだった。確実に。

何か一気に嫌な予感が…

ごほんと咳払いした後にびしっと人差し指を突き出し、
「さあ、競りの始まりよ」

とそれはもう極上の笑顔で言った。



ちなみに、敦子さんと行くらぶらぶ遊園地デート(ネーミングは名前)の権利を勝ち取ったのは益田くんでした。
熱意だね。





下手したら続く。


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