短編 | ナノ


「三成様の御足は本に美しいですね」

褥の中、下で横たわる三成様にそう言えば、嫌悪を隠そうともせず表した。

「下衆がっ」
「なんとでも」

封じた腕を見てにやりと唇を歪める。悔しいですか、あなたの蔑んだ者に動きを封ぜらるるのは。思ったままに発言すれば、怒りからか顔を真っ赤にさせた。

「貴様なんぞ、今に殺してやる!」
「なされば好い、できるのならばいくらでも」

ゆっくり胸から首筋まで手を這わせる。唇をキツく噛む姿に唇がきゅうっと上がった。

「しねっ」

ぐっと首を締める。ぎゅうぎゅうと締め上げれば、目を見開いた。

「苦しめ、苦しめ」

体重をかければ、身を捩らせて暴れる。私は力に負け思わず振り解かれてしまった。

「がっ」

噎せ返る彼の肺の辺りを踏みつける。踵で抉るように踏めば、苦痛と恥辱に顔を歪めた。
私は今に叫びそうなほど喜色に浸かっている。ああ!この男を征服する喜びよ!

「許しを口になさって!乞うて、辱に屈してみせて」

脇腹を蹴る。見下げるためにか、睨まれようと恐怖はない。怒りに震える唇も、私には可憐に怯える乙女に見える。

白い肌に青く痣が浮かんでいるであろうものを想像して、私はまた唇を歪めた。

「名前め、」
「健全な喉で」

首を踏みつけながら、声を上げて私は笑った。


 



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