短編 | ナノ
(官能とは違う意味で注意)
(見る方によっては気分を害されるかも知れません)









今、目を覚ました気がする。

気がするのであって実際はどうか知らない。というのも私は今真っ暗な、密閉された何かの中にいるからで今目を閉じているのか、目を開けているのか、それすら朧であるからだ。

「名前よ、名前。」

首を振る。頭を擡げればまあるい世界が見えた。蓋が退けられたらしい。

「名前よ、おお目覚めておったか」

わざとらしい人だ。眩しさに目を細めてから下を向けば、ごろりと体が横になった。衝撃に丸くなる。

「そろりそろりと這い出てまいれ。それ、」

身を捩る。肩でほふく前進の要領で進めば、包帯を巻いた細い腕に抱き上げられた。

「ぬしは本にめごい。」


唇を動かす。喉がからからと渇いている。ぱくりぱくりと水を望めば、私を膝に乗せてから杯を手にした。
口をつけて飲み干す。一瞬、咽せた。


「ぬしだけよ、われに従順なるわ」


莫迦を言え。私をこうした本人が言う言葉ではないだろうに。きっと私が一番反抗的であろうに。


「本にメゴイ。」


そう言って私の髪を撫でる手に抗った昔が懐かしい。


「名前は好い。われの幸福よ」





以下、補足。







・ヒロインは達磨さん状態
・その状態にしたのはまごうことなき刑部さん
・ヒロインが普段入っているのは壷の中
・刑部さん一のお気に入り
・ぬしは好い不幸よ状態なハイテンション刑部


本当はもう少し際どくても良いかな、とか思ったのですが、苦情きたら怖いなあと思い止めました。
際どいというのは、みっちゃんなら四肢は切り落とすだろうけど刑部さんなら…。というのと、ねちねちヒロインをせめる(せーてきに)というのです。



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