一旦気持ちを落ち着けたおれは、その後、ルフィが話す“冒険”を耳にし、無駄な努力だったと悟った。
ルフィの口から出て来る人間、果ては動物にさえ嫉妬しちまう。握った拳にどろりとしたものを感じ、指を開くと、血が滲んでいた。

(おれも、まだまだだな)

おれの相槌が途切れたと同時に、ルフィの声も止む。
珍しく一瞬躊躇った後、天井を見ていた筈の目が、おれを見た。
表情は読めない。


「…なぁ、エース」

「なんだ?」

「そっち、行っても良いか?」

黙って上掛けを持ち上げてやれば、暗闇でも分かる程の笑顔になって、おれのベッドへ上がって来た。
こういう、甘ったれたトコも変わってねェんだな。
昔から、おれの布団に潜り込んで来ては、ひでェ寝相で苦しめてくれたもんだ。
寒い日は暖かかったが、暑い日は地獄だった。
それでも離れなかったのは、互いに人恋しかったからかもしれねェと、今は思う。


「ししっ狭ェな!」

「当たり前だ」


向き合ってねェと、落下しちまいそうだ。
自分の身体と壁でルフィを挟んだが、明日の朝、おれは確実にベッドの下だろう。まぁ、たまには良い。
細い身体を抱き寄せ、まだ乾ききっていない髪を撫でる。
ルフィは何も云わず、されるがままだ。
良くこうして眠ったから、抵抗する気配も無い。反対に、おれの胸に額を押し付けて来た。


「エース、あっちィ」

「お前、おれの能力知ってっか?」

「火ィだろ?何時もこんなに熱ィのか?」

「自分ではあんまり分からねェけどな。お前は相変わらずむにむにしててキモチイイな」

「そおかー?エースはちっちぇ時からおれの事ぎゅっとすんの好きだったもんな!」

秘密の話をするみてェに、顔を寄せ合う。
互いの顔に息が掛かって、あァ体温の有る人間なんだと思い出す。
思い出すと、余計なモンまで目覚めちまっていけねェ。
普段は抑え込んでいる欲望が、頭をもたげる。
ルフィに触れて、滅茶苦茶にしてやりたい衝動。大事に大事に、可愛がりたい情動。
無意識の内に動いた手がルフィの背を撫で下ろして、丸い尻に到達する。
ちいさくても弾力の有る尻を撫で回していると、「エース、こそばい…っ」とルフィが笑った。

「んじゃコレはどうだ?」

興に乗ったおれは、思うまま、好きな様にやわやわと揉んだ。
おれの手から逃れようとするルフィに刺激されて、しつこく尻を追い掛け回す。
なんてェか、変態になった気分だ。


「あっ」


狭いベッドの上で暴れていた所為で、おれの手が前に当たり、ルフィは笑いを引っ込めた。
「変な声出ちまった」と俯いた後、もぞもぞと尻を動かす。おれとの間に、無駄な距離が空いた。
…気に食わねェ。
胸の中で呟き、無理矢理にルフィを引き戻す。
驚くルフィを無視して下半身に手を伸ばせば、下着が少し持ち上がっていた。
上から下へ手を滑らせると、ルフィはちいさく抗っておれの腕を強く掴んだ。


「エース…!」

悲鳴の様におれの名前を呼んで、身体を丸める。
おれの手から逃れたいんだろうが、そんな事しても無駄だぞ?


「何時もやってやっただろ?」

「けど…っ」

「ほら、あっち向け」

ルフィも又、おれが譲らない性格だと知っている。
緩慢な動作で壁の方を向いたルフィは、ぐっと口唇を噛んだ。近ェと、良く見える。
向こうを向いたルフィの背中を胸に引き寄せ抱き込むと、身体中に力が入っているのが分かった。
そんなに硬くなるなよ。いちいち苛めたくなる。

リラックスさせる為に、剥き出しの太股を出来るだけ優しく撫で、首筋に口付ける。
ほう、と息を吐いたルフィは、少しだけ力を抜いた。
安心しろ。兄ちゃんがコレで、お前に酷くした事なんて無ェだろ?
耳元で囁けば、ん、と黒い頭が頷いた。
力の抜けた身体は、何処までも柔らかい。ゴム人間だからってのも有るが、元々の素質も有るだろう。
筋肉の薄く乗った太股を行ったり来たりさせていた手を、徐々に上昇させる。
もう一度下着の上からソコに触れると、熱を持っているのが分かった。


「ぁっ」


ちいさく声を上げたルフィは、ぎゅっと目を瞑った。
睫毛が震え、小動物が怯えている様に見える。
何回か手を行き来させると、すぐに下着に染みが出来た。
おっと、濡らしちまう。
予想以上に早かった所為で、急いで下着を引き下ろすハメになる。先走りを纏ったペニスが、勢い良く飛び出して来た。

「ぅ、エース…っ」

掌全体で形をなぞると、びくりと反応する。
お、ちったァ育ってるな。
暗くて良く見えねェのが残念だ。
はぁ、と息を吐き出したルフィの頬に口付け、緩く握り込む。
親指で亀頭を撫でれば、どっと先走りが溢れた。
溢れた汁を塗り込む様に親指で円を描くと、ルフィの呼吸が忙しなくなる。

「はぁ…っ、あっ」

抑え込んだ声に甘さが混じり出し、おれの下半身を直撃した。
隙間が無い程密着したルフィの尻に、おれのペニスが当たる。
布越しでもそれが分かったのか、ルフィが振り返って云った。


「あっ、エース、も…?」

「…気にすんな。集中しろ、集中」


ルフィのうなじに顔を寄せて、跡が残らない程度に齧り付く。
仲間に見付かったら厄介だ。
いっそ見せ付けてやりてェが、変に触発されても困る。
特にあの金髪の男…サンジ、とか云ったか。あいつは手が早そうだ。
ひょっとすると、他の野郎もルフィの可愛さにヤラれて、虎視淡々、機会を窺っているかもしれない。
海賊として仲間を大事にするのは良い。だが、こいつはおれのものだ。誰にもやらねェ。


「ルフィ…」

「あっ、あ、エースぅ…!」

「ん…?キモチイイか?」

「あ、イイ…っぅ、あぁっ」

手で作った筒の中で、ルフィのペニスがビクビク震える。
裏筋を人差し指で辿れば、又先走りが溢れた。弱ェトコも、変わってねェ。
膨らんだ睾丸をまとめて揉むと、高い声が上がった。
何回聞いても、煽る声だ。
擦り上げる度グチャグチャと音を立てるのが厭なのか、後頭部をおれの胸に押し付けて来る。
首を振って、甘えるみてェに。


「そろそろイこうな、ルフィ」

「ん…っ、イク、あっイク…!」


昔、ガキだった頃。ルフィを安心させる為に、良く額にキスをしてやった。
痛くなくなるまじないだとか、好い加減な事云ってたっけな。
強がって痛くねェなんて云う癖に、プルプル震えて待ってる姿が、堪らなく可愛かった。
射精寸前で、時折ビクリと震える今の姿が、何処か重なる。
止めど無く先走りが溢れ、ぱくぱくと開閉を繰り返す射精口に爪を立てると、甲高い喘ぎと共に熱い粘液がビュッと勢い良く飛び出した。
はぁはぁと忙しなく呼吸するルフィの額に、首を曲げてキスをすれば、固く閉じられていた瞼が開く。
目の前の壁を眺めた後、「ねみィ」と呑気に一言呟いた。


「寝ちまえ。明日はおれが起こしてやるから」

「ん。エース、おやすみ…」

素直に目を閉じたルフィの額にもう一度キスをして、後始末をした後、おれも目を閉じた。
明日っからは又離れちまう身体を強く抱き締めて、せめて今だけは忘れていようと、固く固く目を瞑った。















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何を隠そう、ルフィたんの尻をぎゅぎゅっとしたいのは僕です。そうです、変態です。

抱き締めたいとか云ってる癖に、もっと先まで手ェ出しちゃってるお兄やん。あいやー。
家族と恋人の抱擁は意味が違う。恋人として抱き締めたいお兄やんでした。贅沢者!
ウチのルフィたんは、気持ち良い事は気持ち良いと云いなさいと教育(調教?)されているので、快楽にはとても素直です。
そんなルフィたんがすきです。舐め回したいです。
本当は素股とかしたかったんですが、エース兄やん我慢しました。でも次回はやりたいです。素股。
でも素股ってどれ位需要有るんだろうか。良いと思うんだけどなぁ、素股。
四回も素股って云っちゃった。これはもうやるしかないな(どんだけやりたいねん)。

あ、相変わらずサンジへたれですんません。サンジ格好良いよサンジ^∀^(取って付けた感満載)
何時かきっと、格好良いサンジを書いてみたいと夢見ています。

閲覧して下さり、誠に有難うございました!







10/10/02
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