青年Bの証拠



「A子のことをどう思っていたか、ですか?
 あいつとは中学の後輩の紹介で出会いました。第一印象は笑顔が可愛い女の子だな、でした。実際、今でもそう思っていますよ。
俺たちはとても仲の良い恋人同士です。そりゃ、人間ですからお互い喧嘩することはあります。でもすぐ仲直りできるし、俺たちは心の底から深く愛し合ってます。
恋人とはお互いに許しあえる存在のことだと思っているんです。だから多少、俺がA子に腹が立つ点があって殴ったりしても、それは愛ゆえの鞭です。俺はいつもA子の苛立たしい部分を殴るという行為で許してやっているんです。とても寛容だと思いませんか?
…まあそうは言っても今回ばかりは腹の虫が収まらないというか、だって男の面子を潰されたわけですよ。それ相応の教育をしなくてはいけないな、と思っています。
実はあいつが勝手な行動をしないためにあいつの携帯や俺が貸してやっている車にGPS機能を搭載していつでもどこにいてもあいつの居場所がすぐわかるようにしてあるんです。うーん、でもこれだけで足りないんじゃ新たな対策を考えないといけませんね。
…え?体に数箇所の傷跡?そうです、それは俺がA子にしたことです。でもそれは、あくまで軽―く殴ったりとかその程度ですよ。全然、問題にするような大きいことではありません。
それになんていうんですか、あいつには被虐的趣味というのか…殴られても次の日にはニコニコしてるんですよ。あ、こいつはMなんだな、と。俺はあいつの趣味に付き合う、いわばボランティアをしてやってるわけです。
恋人ですから。そういうところも許してやらなくちゃ駄目なのかな、と思いまして。あいつは俺にもっと感謝すべきですよ。こんなに優しい彼氏は滅多にいないでしょう?本当、幸せな奴です」



青年Cの真実

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