18//呟きは空に溶けて





大きくベクトルが一方通行とはいえ、ただ純粋に強さを求めて一直線な後輩と。
他よりも少しだけ多くのものを見て、経験して、それ故に強さに迷いを持つ親友。

容姿は焔色と藍色に象徴され。
似ているのに混ざらない色。
対極の色。

ならば誰かが間に立たねばならない。

間に作られる色がある。

かつて犬猿の仲と呼ばれた紺と銀。
もしもその間に、灰青色にも似た瞳の色が在れば、変わるものもあったのだろうか。


「僕は、二人の中間色になれるかな」


昼と夜の境目の色。
境界線を曖昧にする色。

苛烈な緋と静謐な碧の、その、狭間の色に。


決して一色ではない天上を見詰めて想う。



呟きは、空に溶けて



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